第2話 ゴブリンとステータス

「は?……何でゴブリンが!?」

 身長百三十センチほどで緑の肌に醜悪な顔、ガリガリに痩せた体躯に出っ張った腹。

右手に持つ木の棍棒。間違いなくゴブリンである。

「グギャギャギャ!!!」

 ゴブリンが雄叫び?を上げて突撃してきた。

「ッ!?」

「グギャギャ!」

 右手の棍棒でゴブリンが殴りかかってきた。

「うおっ!?」

 振り下ろしてきた棍棒を紙一重で避け顔面に膝蹴りをぶつける。

「グギャギャ!」

ゴブリンが顔を押さえているうちに棍棒を奪い取った。

「グギャ!?」

 おそらくしまった!とか思っているのだろう。

「死ね!」

 そのまま棍棒をゴブリンの頭に全力で振り下ろした。

「グギャ!」

 ゴブリンは頭から血を吹き出しながら倒れた。

「どうだ!?」

 しばらくするとゴブリンが消え紫色の不思議な石が落ちていた。

「何だこれ」

 そう考え石を拾おうとすると頭の中に音声が響く。

«モンスターを討伐しました。経験値を獲得しました»

「へ?」

 経験値?

«ユニークスキル《早熟》を取得しました。»

「まさか……」

 レベルとかあんの?

「……ステータスオープンなんつって」

 そう言うと目の前になんか出てきた。

「うおっ!?」

 そこにはステータスが表示されていた。

「ま、まじかよ」


 鈴守黎司(16)(男)


種族:人間

 職業:無し

 レベル1

 合計レベル1


 HP180/180

 MP57/57

 筋力38

 耐久21

 敏捷28

 魔功28

 器用24

 SP0


《魔法》

 無し

《スキル》

 無し

《ユニークスキル》

 早熟

《エクストラスキル》

 無し

《ジョブスキル》

 無し

《称号》

 無し


「ふむふむ」

 職業 冒険者、戦士、剣士、槍兵、弓兵、格闘家、魔法使い、魔物使い、暗殺者、狩人、盗人、商人etc……

「うわっ!めっちゃある……」

 百を超える職業に悩む。

「う~ん」

 何にするか迷うな。

「せっかくだから魔法使ってみたいけどな~」

 どうするか……

「よし!戦士にしよう!」

 戦士はアタッカーの職業ジョブのようで筋力と耐久性が高いようだ。


 鈴守黎司(16)(男)


 種族:人間

 職業:戦士

 レベル1

 合計レベル1


HP365/365

MP68/68

 筋力88

 耐久60

 敏捷28

 魔功34

 器用30

 SP1


《魔法》

 無し

《スキル》

 無し

《ユニークスキル》

 早熟 

《エクストラスキル》

 無し

《ジョブスキル》

 アタックソード

《称号》

 無し

«称号“新人”を獲得しました»


「おお!なんかめっちゃ上がってる!」

(これが職業ジョブの力か……そういえばこのSPは何だ?)


 SP:モンスター討伐時に獲得可能。モンスターによって得られるポイントが変わる。主に魔法やスキルの習得時に使う。強ければ強いほど必要ポイントが増える。


「なるほど今後はSP集めもしないといけないな」

(さて次はスキルだが……)

 アタックソード:武器に魔力を纏わせ威力と耐久性を高める。MP使用量によって効果は変動する。

(なかなか便利だな使用頻度が高くなりそうだ。だがそれよりも……)

 早熟:一番最初にモンスターを討伐した者に与えられるスキル。モンスター討伐時に経験値と獲得経験値が二倍。


(強すぎるなこのスキル)

「だがありがたい」

 

 新人:一番最初に職業ジョブに就いた者に与えられる称号。レベルアップ時のステータスアップが二倍。


「まじか……」



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