第2話 王女プリムローズ・ネイディア・フロンピース



 私の名前は、プリムローズ・ネイディア・フロンピース。


 ブリザードプリムの第一王女。


 小さな国の王女だからか、今まで誰かに縁談を持ちかけられた事はない。


 たいして利益もないのだから、当然なのだろうけれど。


 そんな私には、機械人形のお供がいる。


 彼の名前はネネ。


 ネイヴァース・ネイデュークだから。縮めてネネと呼んでいる。


 ネネは私に忠実だ。


 何でも言う事を聞いてくれる。


 男性の見た目をしているけれど、おしゃれにも詳しい。


 前のご主人が、死んだ私の母だったからその影響だろう。


 母は、おしゃれが好きだった。






 しばらくは国の立て直しに忙しかった。


 大変だったけれど、不作を乗り越えたのは誇らしかった。


 父王と二人で、支え合って国をほんの少し強くしたことが自信になった。


 けれど、やっと乗り越えたと思った時に、戦火が及んでしまった。


 相手にされないと思っていたのに、地下資源を発掘してから目の色を変えたのだ。


 その資源は、人々の生活を根本的に変えるものだったらしい。


 他国の者達は、それを交渉して得るという事をまるで考えなかった。


 分け合ってもらうより、上手に争って奪えば独り占めできる。しかもただなのだから。


 そうして、この国は、戦火に飲まれてしまった。


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