第9話 胸の誓い


「俺は、ササが俺に恋した事を忘れてしまうなんて、耐えられない」

「私はどうすれば?」


 王子は強く私を抱きしめた。


「ただ、その感情のままに行動すればいいんだ」


 王子は私の唇を奪った。


 それは恋人同士が行う行動。


 ただの接触行為だというのに、私の胸は高鳴った。


 力強い抱擁と共にもたらされた接吻は、機械の身には感じられない想いを感じさせるものだった。


 王子の気持ちが伝わってくるようだ。


 私もその気持ちに応えた。


 いつかこの気持ちを抱いても、怖くならない時がくるのかもしれない。


 その時のために、私は王子をずっと守り続けようと思った。


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