第22話【ホタルの舞】
【ホタル】
「どう・・・?」
ホタルは雅な着物に身を包み、唇にもほんのりと紅をさして
ホタルは、不思議そうに
【
「ま・・・あ、あれだ・・・な。ま、
【ホタル】
「え!ひどーい!」
【
「え?なんで?」
【
「兄上、
【
「え?そうなの?俺はてっきり、可愛い
【
「あははは・・・。とっても、綺麗だよ。ホタル。」
【ホタル】
「あ、ありがとう・・・
ホタルはなんだか照れているようだった。
【ホタル】
「きょ、今日ね・・・。私、舞を踊るの。」
【
「うん!そうだよね!小屋で兄上ともその話をしていたんだ。」
【ホタル】
「ほ、本当?あ、・・・えっとね。そのもしよかったら、見に来て欲しいなって、思って・・・も、もちろん
【
「もちろん!楽しみにしてるよ!」
【ホタル】
「あ、ありがとう。」
本流の村では、毎年元旦の夜に一年の天泣踊りという、豊作を願う舞躍りを12才から22才までオナゴが踊るのが伝統となっている。ホタルも今年から12才のため、その躍りに加わることになり、
【
「じゃ、ご、ごめん。ホタル。また後で!」
夜になると、いよいよホタルが舞を踊ることとなった。12才から22才までのオナゴが、村中をゆったりとした優しい縦笛や三味線の音に合わせて躍り歩く。
【
「師匠も、来れば良かったのに。兄上も、そう思うだろう?」
【
「兄上?」
【
「え?あ、あぁ・・・なんか、父ちゃんと呼び出されてたから、何か父ちゃんに頼みごとでもされているんだと思うぜ・・・。」
【
「・・・。兄上、なんだかいつもと様子が違う。どうかしたのか?」
【
「・・・なんでもない・・・。
【
「うん?」
【
「ここで、俺と一本勝負しよう。」
【
「え?ここで?何言ってるんだ!ホタルの舞が始まってしまうよ?」
【
「・・・。勝敗は・・・どう決める?」
【
「最初に・・・一本とった方の勝ちだ。いいか?」
【
「あぁ・・・。分かった。」
【
「オラァーーーーーーー!!!!!!!」
赤い木刀が
皆が天泣踊りを見に行く中、
【
「
【
「・・・。このままいけば、あいつは必ず強くなりますよ・・・。何度となく突きつけられる敗北と挫折にも、目を背けずに立ち向かう。
【
「そうか・・・。」
【
「だが・・・。努力すれば実現出来る夢を追いかけるやつは、努力しても実現できない夢を追いかけるやつには勝てない・・・。なぜなら、最初から到着地点を見て走っているのと、到着地点のない右も左も見えない霧の中を走るやつとでは、努力の量が違う。志も違う。何よりも、覚悟が違う・・・。」
【
「
青の木刀が赤い木刀の一瞬揺らぐ。その揺らぎを
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