「ソロソロ」=「そろそろ」という言葉について考えた適当な内容

ラズベリーパイ

第1話

 【ソロソロ】である。

 もうすでに一分は切れている、感覚的にはそうである。

 そう思いながら私は時計を見るが、まだ一分以上時間がある。


 ほんの数分という時間だが、これがやけに長く感じる時と感じないときがある。

 例えばあと一時間後にある場所につかないといけない、という時は、10分以上前でも【そろそろ】と考えてしまう。

 実際にその程度の誤差は、自分の歩く速度の誤差や忘れ物をしてしまうなどの急な出来事も相まって、それぐらいは最低でも欲しいとなってしまう。


 ようは目的に対して必要な時間、それに影響して【そろそろ】という言葉の含む時間の割合が変わるのかもしれない。

 あいまいな部分を含んだ言葉だが、秒換算であと72秒といったようなきっちりしたもので人間は行動しないし、おおざっぱなくくり分けで生活をしているのだ。

 つまり、ここから考えるに、「大体の事はある程度【適当】で何とかなる」という事なのである。


 もちろん押さえなければならない、【適当】にしてはいけない部分はある(神経を使うので面倒くさい)にはあるにしろそれだって、例えば小麦粉を測ってお菓子を作ろうとした時に、果たしてこのはかりの誤差はどうなのだろうと考える事はあるが、とりあえず大体参考したレシピ通りに(もちろんその配合が美味しいことが前提。口に合わないものもネットやレシピ本やら多々ある)作れば、美味しいものが出来る。

 どこまで拘るべきか? はその人にもよるが、市販のスーパーに売っている材料で結構おいしいものが作れてしまう。

 自分で作るという手間賃さえ考えなけれ、100gの小麦粉を測った時に数グラムっ少なかったり余分だったりしても、大体何とかなる。


 これが二グラムの内1グラム多かったとなると変わってくるかもしれない。

 この場合だと入れるものが二倍に増えている。

 100gの内の一グラムなら増えたものは、1パーセント程度。


 なるほど、同じ一グラムと言っても相対的に考えてみると変わってくる。

 これが1キログラムに対して1グラムだと、0.1パーセントの差だ。

 量を沢山作れば作るほど、数字上の誤差は減っていく。


 もちろん量が増えたら増えたが故の問題も発生するだろう。

 例えば材料をかき混ぜるのが大変になるとか。

 やはり機械化は正義である。


 とはいってもそうすると導入のコストの問題も発生するよなという事は容易に想像がつく。

 と言ってもそういった機械も出来た当時は高級でも、段々に改良などが進み安価になって、多くの人が使えるようになる。

 果たして、今はまだ手が出せないと思っているものは10年後、どれくらいの物になっているのだろうか?


 ショルダー型の携帯電話が昔はあったらしいが、今はスマートフォンで事足りる。

 きっとその当時は想像も出来なかっただろう。

 SFの物語として語られていたような未来がすでに【現在】となり、ではその先の未来は果たしてどうなるのだろうか?


 もっとも銀色のスーツのような服は現在、着ていないわけではあるが。

 あのイメージってどこから来たんだろうな…等と昔の人の想像力に対して、某ラノベの宇宙人がSF小説を読んで「ユニーク」と言っていたような気もするが、そんな感覚にとらわれることがある。

 そんなどうでもいい事を考えながら、【ソロソロ】どうだろうと時計を見る。


 3,2,1…完成。

 そう思いながら私はカップ麺のふたを開けたのだった。

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