寒冷地の食糧調達


「概要」

 寒冷地は基本的に物資が乏しいので、食糧調達は場所によってかなり厳しいのが現実です。それでもアイスランドやアラスカにも人々は独自の文化をもって生きながらえています。正しい知識を持っていれば短期的な生存は可能と思われます。ただやはり一面が雪原と言った氷点下環境では食料と同じく燃料すら乏しいので、そうした場合はできるだけ移動して、物資の豊かな場所にたどり着くのが優先されます。



「タンパク質」

 あなたの周りに水源があり、同時に釣りの道具があるのなら、釣りは一つのタンパク質補給手段になります。そうした極地では小魚もお腹を空かせているので、エサではなく光る破片でもつれる可能性があります。ただそのためには、凍った水面にある程度の大きさの穴をあけなければなりません。様々な方法がありますが、熱した石を氷の上に置いて穴をあけるそれが単純です。この時くれぐれも水の中に落ちないようにして下さい。こうした気候で全身ずぶぬれは命とりです。そうしたことも考えて、氷の厚さを十分確認してから行動にうつりましょう。

 海岸が近い場合はムール貝など動かないたんぱく源を探すのもいいかもしれません。しかしこの気温で並の水をかぶったり足を滑らせると危ないので、切り立った岩場などは危険です。イヌイット族は非常に特殊且つ命がけの方法で栄養満点のムール貝を冬に取ることができますが、これは長年培った知識によるものなのでマネはできませ(1)

 もう一つ、これは非常に場所と時期がからんでくることではありますが、動物を狩ることも視野に入れていいことがあります。氷点下気候ではアザラシやペンギンが繁殖期の場合非常に楽に仕留められるでしょう。また卵を手に入れることができるかもしれません。ここで注意が必要なのはホッキョクグマの存在です。何と言っても彼らは私たちと同じものを狙っていますし、明らか人間よりも屈強です。もう一つ盲点なのは、アザラシとホッキョクグマの肝臓には油溶性ビタミンのビタミンAが大量に含まれています。人体には致死量ですので、肝臓は絶対食べてはいけません。



「食物繊維」

 あなたが幸運にも寒冷地の短い夏にいるならば、ベリー類が身を付けている場合があります。ビタミンもたっぷり栄養満点ですので必ず確認しましょう。

 そのほか、海が近ければ海藻も食べることができます。その日に消費した塩分量を把握できるのであれば、海水と海藻、ムール貝などを煮込んだ海水スープも美味です。

 味も満足感も低く、そして不快感は高そうなのが苔です。苔にはアルカロイドの一種をはじめ殺菌作用のある物質が含まれているため、陸上生物はほぼ食べません。それでも極限状態では一応食べることができます。百グラムあたり五キロカロリーほどで……。食べ方は単純で、根茎や仮根と枯れた部分を取り除き、緑の箇所だけを食べるというものです。あるいはペーストにして煮る事で味は少しばかり改善するんだと(2)





(1)「凍った海の割れ目から命がけでムール貝を採集する、世界で最も危険な漁をするイヌイット族(エスキモー)」https://karapaia.com/archives/51965334.html

(2)「Is Moss Edible? Can you eat Moss?」https://mosslovers.com/is-moss-edible-can-you-eat-moss/





 

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