21世期少年鈍行漂流記
@fransepan
21世期少年鈍行漂流記
1年のモラトリアムを終えてまた一人暮らしに戻ることになった。そのために自分で鈍行の電車に乗ってぶらぶらと下宿先に戻る。目を殺して雑にヒットチャートを聴き、本をパラパラと流す。外の景色も一緒に流れていく。電車の中にはたくさんの人がいて、それを眺めるだけでも意外と暇はしなかった。自分とは違う人がいっぱい入っては、出ていく。実家は田舎だったから、都会を眺めるのにも暇はしなかった。そのうち目が慣れてきて、「自分とは違う」というひと括りで見られるようになって、疲れなくなってきた。今までもずっとそんな感じだった気がする。電車が自分の予想しないところで止まった。勢いのまま外に出れば、下宿先に着く時間は2時間ほど遅れるが、もしかしたら面白いことがあるかもしれない。電車のドアが開いた。小説の中の自分とは違う少女が、「主体的に生きろ!自分の好きなように生きろ!」と叫んだところで、一時停車していた電車のドアがまた閉まった。
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