第4話ソラ&ウミ&運営
〈Genesis World〉オンラインと言うRPGは、よくあるRPGと大分毛色が違う。
最初の特徴としては、まず武器や防具等の装備品は基本的にガチャやゲーム内の店、宝箱等で入手出来るが、実は自分で作る事がメインな点だ。
メインなのだが、その過程は非常に面倒くさい。
何故かといえば、その為のスキルを手に入れる事から始まりスキルは全てガチャからしか得られない。
しかもスキル〈装備品制作〉や〈装備品分解〉のガチャ率は0.001%である。
まさに課金しろと言わんばかりである。
そして、作ったは良いが手作り装備品は基本、紙性能である。
つまり攻撃力も防御力もオール0である。
だから、初めからガチャや店で買った方がそれなりの攻撃力や防御力を手に入れられる。
始めたばかりのプレイヤーはそれでもいいが、このゲームの創作自由度は痒い所に手が届く張りに凝りすぎるまでに凝る事が出来るのだ。
因みに、僕らのアバターは空音が抽選で当たったミラージュキットで製作されており、言わば勝ち組と言えよう。
キット内容はスキル〈装備品制作〉と〈装備品分解〉そして装備品に力を付与する力玉1000個のセットである。
力玉は攻撃力・防御力・制御力・浮力・重力・瞬発力等の項目があり自分の好きな項目に好きなだけ付与出来る。
因みに、力玉はモンスターが良く落す。
なので、最強装備を揃えたければ自分で製作が王道なのだ。
そして、お気に入りの一点物の装備を徐々に最強にしつつ途中で思い付いた装飾を後付けする事も出来るので最終的にお気に入りで最高最強装備に仕上げられるのである。
所謂大器晩成型装備といえる。
2番目の特徴は魔法が無い事。
一応〈エレメント付与〉というスキルがあるが、これは装備品や持ち物に付与するものであってエレメントそのものを飛ばしたりは出来ない。
エレメントの種類は炎・水・氷・風・土・雷・重力・光の9種類がある。
3番目の特徴は私物認定である。
装備品や持ち物についてはアバターのアイテムボックスに1度入れるとそのアバターの私物として認識される。
なのでその辺の石コロや木の枝、ゴミなんかもでも1度アイテムボックスに入れると私物認定されるのである。
余談だが、町の家や家具、家畜や道具類等はNPCの私物認定されているのでアイテムボックスに入れる事は出来ないがNPCと取り引きしたものは入れる事が出来る。
それに関連してこの〈Genesis World〉はPvPやフレンドリーファイアがある。
しかし、死に戻っても持ち物を無くしたり奪われたりする事は無い。
無いが、アイテムボックスに入れない限り私物化しないので入れる前に掠め取られたり横取りされる事があるので注意が必要だ。
そして、最大の特徴だがやはり制作・分解スキルであらゆる物を生み出し様々な可能性を再現出来る事だろう。
その組み合わせはまさに無限大。
制作し更に組み合わせて思いもよらない現象を引き起こす事が出来る創世の世界。
それが〈Genesis World〉オンラインである。
ソラ「ウミちゃん宣伝お疲れ様〜。良かったよ」
ウミ「まあ、僕にかかればどうと言うことは無いがな」
運営「言いわけないでしょ!初めの方なんか当社へのクレームとか自分の自慢ぽい事を言っているのは完全にアウトよ!」
ウミ「だが事実だ!」
ソラ「だ、駄目だよ兄にぃ。あんまり怒らせたら」
ウミ「だが終わりよければすべてよしだろう。最後はバッチリ決まったしな!」
運営「どこがよ!初めから最後まで取り直しよ!取り直し!」
ウミ「なん…だと…」
*注:本編では双子は運営と絡みません。
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