第8話「初死闘」
第8話
「いくぞオラァ!!」
俺は
だが突如、すぐ目前まで迫っていたネクロマンサーが俺の視界から姿を消した。
「は!?どこ行きやがった?」
すると今度は急に、後ろから気配がして声?が聞こえてきた。
「ニ…ン…ゲ…ン…………ヒサ…シブリニ…ニンゲン……ミタナ…………オイダ…サレテモ……ワルイコト…バ…カリ…デハ……ナ…イナ」
「ごちゃごちゃうるせぇよ!。まだまだ!!」
その後もネクロマンサーを殴ることを試みるが、熱強化を7重もかけているのに一向に当たる気配がしない……というか捉えられる気がしない。
「まずいな、このままじゃ多分こっちが先にやられるな」
そう俺は何度もタックルしていて体力を消耗しているが、ネクロマンサーは俺のことをまだ攻撃していないのだ。
「それにアイツの魔力量が分からない以上、長期戦は危険だな。……ドワッッ!!」
そんなふうに戦い方を悩んでいた時、急にネクロマンサーが魔法を放ってきた。
ボワッ‼︎…………ダーーーーーン‼︎‼︎‼︎
「チッ、やっと攻撃してきたか。でもヤバイな、今のは炎魔法か?俺は何とか躱せたから良かったけど、そこにあった森林が消滅してるのを見たところこれは当たったら一発でゲームオーバーだな。」
やっぱりまた魔法を生み出すしかないのか。だがそれも仕方ないな。なんせ今の俺には熱強化で身体能力を向上させて物理的に倒すしか手段がないのだから。
なら魔法を作ることは確定として、まずこのネクロマンサーを倒すために盾の役割を果たす魔法を作る必要があるな。なんせあのネクロマンサーの魔法を喰らうのは絶対に避けるべきであろうからな。
それとその上でさらにネクロマンサーにダメージを与えることのできる、矛の役割を果たす攻撃魔法も必要だな。
そんなことを俺は考えながら、熱強化で強化した肉体でひとまずネクロマンサーから逃げるように立ち回る。
「ふぅー……よし、作るか。まずは盾となる魔法だな。」
俺は引き続き逃げるように立ち回りながらそう決める。
だが実を言うと、昨日の時点でいくつか戦いを想定した魔法のイメージはもう大体出来ていたのだ。だが実戦の最中に作るというのは、かなり精神的に堪えるものだし、何より一度も試せていない。だからこれは一か八かなのだ。
「いくら魔法、仕組みの分からない謎な力だとはいえ、それは熱量、つまりはエネルギーの塊に過ぎない。だから、ようはそれを熱で分解すればいいんだ。上手くいくかは分からないが……」
俺は理論的に考えつつ、さらにイメージを確固たるものへと変えていく。
「まぁ勿論魔法が成功するとは限らないが、それは俺の化け物ステータスと知力を信じてみるしかないな。」
俺は冷や汗を掻きながらも、笑った顔をネクロマンサーに向けてやる。
「それと後は矛となりうる魔法の一つ、相手の魔法を純粋な熱エネルギーへと分解・変換した後、それをさらに再構築してカウンターとして相手の魔法をさながら反射する。これも可能なはずだ。」
よっしゃ取り敢えずやってみるか。
「さぁ…………来い。」
俺はネクロマンサーに圧をかけるとともに挑発をして、今度はそれと同時に、俺は自分を中心とした半径2メートルくらいの球を熱で形成し、さらにその球の周の部分に熱を高速で回し続ける。
"キュイィィーーーーーーン"
"ドガーーーーーーン"
俺の新たな魔法が完成し、展開した音が鳴り響いた直後、ネクロマンサーの方から爆発音がして激しい炎魔法がこちらに飛んできた。だが俺はそれに対して冷静に魔法が飛んでくる方向に手を出し、さらに熱を集中させる。
まぁ本当は手を差し出さなくても、自身の周りを高速回転している熱の球が分解してくれるはずだが、相手が相手なので念のためだ。
「さて上手くいってくれよ。いくぞ……
"ボーーーーーーーーーン"
という音が鳴り響き何と魔法を両断していた。
「よし、まずはファーストステップクリアだな。じゃあそのまま今度は、
高すぎる知力のお陰か、俺はなんと一発で見事に
「逃がすわけないだろ!もうお前の熱は感知済みだ!!」
そう俺はもしかしたら即座に反射しても瞬間移動されたりとかして逃げられたら……ということを危惧して事前にネクロマンサーの魔法の発生源、つまりはネクロマンサーの熱を感知しておいたのだ。
だから、俺の反射した魔法はさながら自動追尾システム付きの特大ミサイルのようにネクロマンサーに迫っていくはずだ。
「おら!これを食らって、くたばりやがれ!!」
"ドガーーーーーーーン"
俺の反射した魔法が命中した時、今度はネクロマンサーの元で巨大な爆発音が鳴り響いた。流石はネクロマンサーの放った魔法だ。これを食らっていたと思うと少し震えるな。
「どうだ……やったか?」
俺は煙が引くのを待っているなか、半ば祈るように終わってくれと思っていると、煙の中で何やら動きものを見つけてしまった。
「クソッ!やりきれなかったか。」
「ヒ…ヒッ…オマエ…ツヨイニンゲン……シネ」
チッ、薄気味悪い黒ローブ野郎めが。
やっぱり矛となるは
そこで俺は考えた……ただ単に熱で大爆発を起こせばいいのだ、と。
そう考えれば、こっちはさっきの
「ヘヘッ、やるかぁ!?まずは…
「ステータスオープン。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新門 宇宙 (シンモン ソラ)
攻撃力 3010+30100 (10重)
防御力 3010+30100 (10重)
体力 3010+30100 (10重)
魔力 ♾
知力 計測不能
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使用可能属性 なし
特殊魔法 熱
使用可能魔法
・
・
・
称号 人類の叡智、無限の魔力、転生者、
神の加護を受けしもの
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よし!それじゃあ行くか!」
ようは熱で大爆発を起こせばいいのだ。それなら今すぐにでも行ける。
「もう一発デカイの打ち込んでこいやクソ野郎!!」
俺は再びネクロマンサーを挑発すると、今度は先程とは比べ物にはならない魔法を打ち込んできた。
俺は、ネクロマンサーの大きすぎる規模の魔法を一瞬及び腰になりそうだったが、やはり自分の魔法を信じることにした。
「バカが!規模の問題じゃねぇーんだよ!!
ネクロマンサーの魔法の規模が大きくなったのに比例するように、俺も今度は先程とは比べ物にならないくらい高火力な反射をし、丁度爆発音が聞こえたところへで俺も全速力でネクロマンサーのいるところへと向かう。
「拳に全ての…ありったけの熱を集めて……全力全開で放出する!!……おらいくぞ
"ダガッァァーーーーーーン"
俺は込められる全ての熱と力を込めて
「はぁ…はぁ…はぁ…今度こそ……やったか?」
俺は、まだ警戒しながら煙が引くのを待つ。
***
それから少しして俺は煙が引いた後にネクロマンサーが倒れているのを見つけた。
「おいおい……あれだけの最大火力でぶちかましても、粉々にならないのかよ。マジでヤバイ奴だったな。これは下手したら俺がすぐにゲームオーバーになってたな。」
だがそんなネクロマンサーの倒れている姿を確認しても、まだなお警戒を解かずに俺はネクロマンサーを起こした。
「あらら、結構な箇所の骨はバキバキになってんな。それに目に浮かんでた薄気味悪い光も消えてるし、特に熱反応もないから間違いなく絶命してるってことで良さそうだな。…………はぁ、やり切ったぜ。はぁ…はぁ…とりあえず他の魔物が集まってきたら嫌だし、今日はもう帰りたいからもうひと頑張りだけするか。おっと、そういえばいいもの持ってきてるんだった。」
そうして俺は移動を開始しようとしたが、その前に買ってきておいたポーションを一本飲むことにした。
「ぐぅはぁー生き返るわこれ。体が軽々動くとかまでは流石にいかないけど、疲労が多少マシになった気がするわ。」
いやぁ本当にポーション持ってきておいて良かったた。もうひと頑張りするとは言ったものの、実際かなりの疲労が溜まっていたからな。
「それじゃあ、もうひと頑張りだ。
おっと、疲労が溜まっているからか結構辛いかもな。まぁ気にするほどじゃないし、完全にバテる前に早く帰るとするか。
そう言って俺はスターリングウォードへ向かって走り出した。
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