神の水
私は中学の時に書道教室に通っていました。
その書道教室の先生は、原野先生(仮)といいました。
原野先生は、少し不思議な力を持っているようでした。
(少し予言めいたことを言ったりされてました。)
ある時、原野先生は自宅のそばで井戸を掘りました。
そこから湧き出た水は、「神の水」と呼ばれ、「神の水」の場所には、成分の分析を受けて飲料水として認められたと書いてある紙も貼られ、小さなパワースポットのように、岩の間から水が流れていました。
私はよくおばあちゃんと空いたペットボトルを持って神の水を汲みに行き持って帰っていました。持ち帰った水は普通に飲料水として飲んでいました。
しかし、それから何年かして原野先生は病気で亡くなりました。
その日からどれくらい経ったかわかりませんが、私とおばあちゃんは、原野先生が掘り当てた神の水を汲みに出かけました。
ところが。
神の水はもうありませんでした。
神の水があった岩のところに、手書きで「この水は飲めません」と書いてありました。
あれー?なんでだろう?
前は飲めたのに…と思いました。
もう原野先生が亡くなってからずいぶん経ちますが、今思うと、原野先生が亡くなって水の力が消えてしまったのかもと思ったりします。
どうなのでしょうね?原野先生。
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