ヤンデレの女

シィータソルト

プロローグ

女の一人語り

1人の女が笑みを浮かべている。だが、その笑みには温かみがなくて……。優しさもなくて……。感じられるのは、冷たさ……、絶望……、悲しみ……、虚無……。目はどこに焦点が合っているかすらわからない。

 ただ、ただ……、冷酷な笑みをしている。そう、まるで悪魔の様な……。女はゆっくりと口を開く。

「あの人が……あの人がいけないのだから……。私がこんな風になったのも……あの人が全部いけないんだから……絶対に許さない……ねぇ、あなたもそう思うでしょう? この話を聞けばあなたも頷くに決まっているわ。聞いて……くれるわよね?」

 女は語りだした。それは、まだ女の心が壊れていない時。

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