命懸けのギャンブルで本当に死んじゃった俺は2度目の人生で綺麗な生き方を目指します

@taranagani

第1話

 命を賭してギャンブルなんて、普通なら馬鹿馬鹿しいんだろう。


 普通の人ならギャンブルなんてしても命に関わるような事にはならないんだろう。


 俺だってそうだった。


 俺も別に掛けたくて命なんか掛けてない。


 でも、他に道なんてない。


 どうせ何もしなくたって翌年には死んでるんだろうからな。



「さぁっ! 表か裏か!」


「う、裏で、お願いしますっ、、、!」


「オーケー了解! 正解は〜 ジャカジャカジャカジャカ、、、表でした〜! 残念でしたね〜 ではっ! 6度目のロシアンルーレットと行きましょう!」



 目の前でコイントスを終えた黒スーツの男、彼の爽やかで不気味な声が狭い小さなマンションの部屋に響く。


 俺と彼以外に人はいない、その部屋で僕のか細い声が響くと一白置いてスーツの男が高らかに宣言し左手を右手の甲から離す。


 と、甲には表向きのコインが現れる。


 瞬間、俺の死が確定した。


 俺がしているゲームはコイントスとロシアンルーレットをブレンドしたゲームだ。


 コイントスの回数は8回、正解すると何もなく次のゲームに入れて不正解だと1発だけ弾の入った6つの弾倉のリボルバーで、弾倉を一度回して頭を撃つ。


 この時打つ回数は賞金に比例する。


 俺の場合は一度の敗北につき4回だ。


 4回クリアしたら次のゲームに入れる。


 今日はとことん運があるのかないのか分からなくて7度目にして6度目の挑戦だ。


 1発目、空砲だった。


 2発目も空砲だった。


 3発目も空砲だった。



「ゼェ、ゼェ、ゼェ、、、」


「最後の挑戦お願いします!」


「は、はい、、、」



 最後の1発、震える指で打ったソレは空砲だっ、、、あれ、?



「あちゃ〜 新見(にいみ) 晴翔(はると)さん! 残念ですが失格で〜す!」



 なにも、聞こえない、、、


 なにも、感じない、、、


 痛くない、ただ撃ったところが異様に暑くて他が異常に寒い。


 視界に何かが映ってるけど何か分からない。


 指一本動かない俺は朦朧な意識で理解した。


 俺は勝負に負けたのだ、と、、、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

命懸けのギャンブルで本当に死んじゃった俺は2度目の人生で綺麗な生き方を目指します @taranagani

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る