1つの物語を君に

アキノリ@pokkey11.1

物語の3姉妹

1、仲良くなんて無理ですが?

第1話 1つの物語 有栖 姫 夢色

思えば俺の人生で経験値は積み重ならない。

いや、現実的にいえば頭の上にメーターが有る訳でも無いのでそんな事は無いって分かるんだけど。

でもそんな事じゃ楽しくないと思っている。

それもあって俺は人生を経験値に例えている。


経験値ってのはつまり簡単に言えばそれなりに貯まったらランクアップする様な。

そんな感じと思っている。

そうだな、例えるならドラ○エか。

全てが経験値だと思っている。

だからジョブチェンジとかもこの現代はル○ーダの酒場では無く経験値が全てだと思っている。


そんな俺、八島春木(やしまはるき)だが。

短の黒髪に顔立ちは若干に幼く。

そして顔も小さいがイケメンでも無い。

そんなニキビ跡も少しだけ有る様な黒縁眼鏡の男だが.....。


両親が仕事の都合上、離婚した。

喧嘩もそれなりに堪えない家庭だったから有難い。

でも信じられない事だ。

離婚というものがこの世に有ったんだな。

そして親父は直ぐに再婚したのだが.....再婚相手。


今日来た女性だが凄まじい女性だった。

名前を神田洋子(かんだようこ)さんである。

51歳の女性であるが。


全く白髪の無い黒髪のロング。

それから顔立ちはシワが全然無い顔立ち。

いや、女性にそんな事を言ったら失礼だが。


でも本当に綺麗な女性だ。

身長も高いし、何よりも美しい。

どうやら会社の職場で親父の基樹と知り合ったらしいが。


俺は引き攣った笑みを浮かべる。

これだけ容姿が整っていれば子供も、と思ったのだが。

まさかこんな3姉妹の子供が居るとは思わなかった.....のだ。

俺は目の前の.....3姉妹を見る。

それぞれ15、14、12歳の女の子らしい.....が。


「挨拶しなさい。3人とも」


神田さんがその様に言葉を発する。

何だって3人.....。

俺は苦笑いまた浮かべながら.....3人を見る。


ケーキで言うなら色とりどりの様な可愛さの3人。

3人の女の子は俺を見てから親父を見てそして頭を下げた。

それから長女らしき女の子が口を開く。

そしてこっちを見てきた。


「私は長女の有栖(ありす)です。宜しくお願いします」


有栖という名の少女。

顔立ちは美しく美少女。

細い黒の眉毛に柔和な顔立ち。


目が大きくまつ毛も長い。

それからとどめに小顔であり、髪色は黒髪。

長髪であって、髪の毛を蝶の髪留めで結っている。


何というか胸が大きい。

3姉妹の中でかなりスタイルも抜群だ。

俺はその姿を見ながら少しだけ緊張する。

そして有栖は黙った。


「じゃあ私。.....私は姫(ひめ)です。宜しくお願いします」


次女に該当する女の子、姫。

髪色は黒。

顔立ちは若干に幼くそれで居ながらも眉毛が細い。


そして小顔であり、目も大きく。

メイクがしやすそうな感じの顔だ。

でもそれとはかけ離れて少しだけはっちゃけた様な顔立ち。


何というか八重歯が印象だ。

ボーイッシュな感じも有れば美しい感じも有る。

それからボブヘアーであり髪留めを着けている。


その髪留めは同じ様な柄の蝶の模様。

それは前髪に着けられている。

右側だ。

俺はその姿を見つつ最後の女の子を見る。

丁度、その2人の後ろ側に居る女の子である。


「私は.....夢色(ゆめいろ)です。.....宜しくお願いします」


ビクビクしている女の子。

何故か分からないが。

夢色の髪色は真っ白だ。

俺は首を傾げながらその夢色という女の子を見る。


夢色は俺の視線にビクッとしながら俯く。

顔立ちは幼くだけどそれで居ながらも美人だ。

幼いながらもしっかりした感じの性格の様に見える。

そして細い眉毛だが.....白い。

肌も白くまるでその。


かなり神秘な感じを漂わせている。

でも何でこんな脱色した様な感じなんだ?

思いながられは神田さんを見る。

神田さんはその疑問に直ぐに苦笑する。

それから夢色の頭を撫でた。


「この子はアルビノです」


「.....!」


「だけど嫌がらずに接してくれたら嬉しいです」


「そうなんですね」


俺はそう反応しながら物珍しい様な視線を止める。

親父が、夢色ちゃん。宜しくね、と笑みを浮かべる。

だけど夢色はビクッとしてそのまま何も言わなくなった。

親父は、あらら、と言いながら。

まあ良いか、じゃあ次はこっち側だな、とニコッとした。


「私は八島基樹です。そして」


「俺は八島春木です」


「.....八島さん。春木君。宜しくね」


親父の容姿。

簡単に言うと厳つい。

だけど優しい性格であり、黒い髪形をオールバックにしている。

そしてニカッと笑みを浮かべる。

所謂、海パンでも合いそうな。

そんな感じだ。


「ほら。みんなも」


「.....」


「宜しく!」


「.....」


唯一、姫だけが反応した。

何か初日から波乱万丈なんですが。

俺、嫌われているのかな。

思いつつ俺は顔を引き攣らせた.....。

どうしたものか、と思いつつ、だ。



そんな紹介も終わり。

俺は取り合えず行動を開始した。

神田さんと親父は家の用事をしている。

取り敢えずはトイレに行きたいな。


思いつつトイレを開けると何故か人が居た。

それもどっかに行ったと思った有栖だ。

俺は片まる。

パンツを脱いだ姿だった。


「.....」


「.....お、おう」


「きゃぁあああああああ!!!!?」


思いっきりだった。

そしてトイレットペーパーが顔に命中。

現実で有るんだなこれ!?

思いつつ俺は赤面のままドアを閉めた。

クソッ!油断したじゃないか!

トイレ行くとか言えよ!


「わー。最低だね。アハハ」


「.....」


悲鳴を聞きつけた様だ。

俺をジト目で姫と夢色が見ていた。

その姿に俺は盛大に溜息を吐く。

何だって初日からこんな痛い目に.....。

思いながら、だ。


「でもでも仕方が無いよね。乙女の空間に入っちゃったら駄目だよ?アハハ」


「えっち.....」


「.....」


クソッタレ。

思いながら俺はそのまま2階に上がる。

不愉快では無いがそれなりに嫌気が差した。

こんな目に遭うのも、だ。

親父め.....何で再婚したんだこんな人達と、だ。


「ハァ.....」


俺は後頭部を掻きながら。

自室で宿題を広げる。

それから書き始めたが何時の間にかラノベにすり替わっていた。

面倒臭い。

そう考えながら居るとドアがノックされた。


「親父か?」


「私だよ?姫。お兄ちゃん」


「.....は!?」


俺は直ぐにドアを開ける。

それからニコッとした姫に会う。

ボブヘアーを揺らしながら俺を見ている。

何だコイツ?

そう思いながら眉を顰める。


「まあまあそんな顔しないでお兄ちゃん♪」


「.....お兄ちゃんと呼ばれる筋合いは無いんだが」


「え?じゃあ何て呼べばいいの?春木とか?」


「呼び捨てるな!?」


「うーん。じゃあお兄ちゃんで」


ニコニコしながら腰に手を当てつつ。

俺を見上げてくる姫。

女の子の香りがしっかりする。

俺は赤面しながらそっぽを向いた。

勘弁してほしいもんだ。


「お兄ちゃん。お姉ちゃんの事、許してねぇ」


「.....別に気にも留めてない」


「でもラッキーじゃん?アハハ」


「.....」


「いやいや、そんな怖い顔しないで?お兄ちゃん」


姫は言いながら俺の部屋に入って来る様にドア枠に手を付く。

何をする気だよ。

思いつつ姫を制止する。

姫は、いや。男の子の部屋に入った事無いからねぇ、とニヤニヤする。

入るな、と俺は睨む。


「そんな顔しないで?お兄ちゃん」


「そんな顔にもなる。昨日ぐらいまで赤の他人だったお前らだからな」


「そうだね。確かにそうだけど。.....でも決して私達はお兄ちゃんを嫌っている訳じゃ無いからね」


「そんな馬鹿な話が有るか」


「.....うん。でも私が言うんだから。本当だよ?」


そいじゃ私は帰るからね。

とニコニコしながら手を広げて自室に向かう姫。

俺は、何だアイツは、と思いつつ踵を返した。

それから、嫌ってない.....か、と思いつつ。

この反応しか出来ない自分を嫌と思ってしまった。



有栖、姫、夢色。

この3人は掛け合わせると1つの物語になる。


つまり、アリス。

そしてアリスは姫。

それから夢色に染まる。


その様な意味で、だ。

どうでも良い話だが.....リビングで水を飲んでいると神田さんに言われたのだ。

皿を洗っている神田さんに。

神田さんはそれから苦笑いを浮かべて俺を見る。

洗浄中の皿を置いた。


「君なら変えれるかもね」


「.....何がですか?」


「.....君は姉妹の呪縛の鎖を破壊する事が出来るよ。基樹さんの息子さんだから」


「.....?」


意味が分からない。

思いながら俺は神田さんを見る。

神田さんは悲しげな顔で笑みを浮かべた。

何だ?、と思ったが。

答えは教えてくれなかった。


「それにしても有栖のトイレ姿を目撃したんだって?」


「.....」


「アッハッハ!初日から良いね!」


「笑い事じゃ無いです.....」


いやいや、アンタ母親だろ。

良いのかそれで。

思いながらも俺は水を飲んでそのまま2階に上がろうとする。

すると神田さんが俺に声を掛けた。

そしてこの様に言葉を発する。


「みんなを宜しくね」


「.....無理だと思いますよ。俺は」


「無理じゃないよ。.....君なら」


「.....」


何でそこまで期待されるのだ。

俺はそういうのは嫌いだ。

期待は裏切りに繋がるから、だ。

昔からずっと。


そう、あの表彰された時からずっと。

母親だった女性に.....。

思いつつ.....俺は返事の無いままそのままその場を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る