部屋の中、波打ち際にて

グラスの水は陽の光と遊んで

笑いながら透明の影をつくる


ものを捨てるとき 手の中に包んでは

「ごめんね」

と指を滑らせていた君

透明の影は木漏れ日のように

ただ限られた場所だけを守って

窓の向こうには目もくれず

ただ日々は歩む 歩む 暮なずむ 陽の光

グラスの水は減ることもなく

増えることもなく


遠くから猫の声がした

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