修羅

あれはまだ春先の頃

羽化に失敗した蝶々と

剥き出しになった空の青

咲き始めたばかりの菜の花の

茎は真っ直ぐに伸び


僕らが学校を卒業した後

労働と共に首を括った友と

開けっ広げのアルバムの笑顔

薫り始めたばかりのスミレ達の

花びらは静けさを割き


明日が待ち遠しかったときの

思い出から抜け出せずにいる僕と

同窓会の葉書に囲った「欠席」の黒

綻び始めたばかりで光を得る桜の花の

蕾は風に あおられるままに

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