春休みJK探偵団~赤道殺人事件~
深町珠
第1話 サンライズ瀬戸
列車が瀬戸大橋を渡る頃、輝彦はシャワーを浴びに行った。
全てステンレス造りのシャワー室は、抗菌効果の為だろうか
清潔で、異臭など感じない。
脱衣場にカード・キーを差し込むと6分間使える。
鏡に映る我が裸体を見ると、少し恥ずかしいような
気もする。
その、自らの裸体の隣に真智子の裸体をイメージ
しようと思ってみても
彼女はおよそエロス、と言うものをイメージできない人だった。
だが。輝彦は思う。
昔のタイプ、と言うか
輝彦の近くにいる女性は、そういうタイプが普通で
そういうものだと思っていた輝彦だった。
むしろ、コンビニのアルバイトで出会った
女子高生たちの方が余程肉感的で、エロティックに振る舞うのであった。
実際の彼女たちは、男慣れしている訳でもなく
ただの競争心がそうさせるのである。
流行なのだろう。
性犯罪の怖さが分からないのか、無鉄砲な振る舞いを
するのは
やはり幼いのだろう。
幼稚園児くらいの感覚で居るのは危ういと
輝彦が心配すると、彼女らは
好意を持たれていると誤解する(笑)
それで、手編みのマフラーを貰った。
その娘は、友里恵と言う名の
小柄で、髪の長い
大人しい子だった。
はじめに出会った時など
きちんと名乗って、レシート片の裏に名前を書いて
手渡すので、面白い事をするね、と
輝彦が言うと、友里恵は
あたし、名刺持ってないから、と
言う。
高校で名刺って、あたりまえなのかなと
輝彦は不思議に思った。
今は、簡単にパソコンで作れるから
みんな持っている、とか。
輝彦も、それなら、と
同じように、レシート片に名前を書いて渡した。
友里恵は、その紙をじ、っと見て
にこにこと笑った。
幼い子のような笑顔が、愛くるしい子だったが
姿形は、今時の高校生、と言う感じで
事実、他のバイト仲間が居る時は
けたたましい普通のJK(笑)なのだ。
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