第6話 洞窟から脱出


「ま、眩しい!」


それもそのはずまだこの世界に来て一度も日に当たっていなかった。

洞窟を出るまでの間、俺はモリィと時間を忘れるほど楽しく話をしていた。

どうやらモリィは急にいなくなったサヤを探すために、ここの洞窟に来たらしい。足跡を辿っていたところ、跡がなくなったところに俺が眠っていて俺のことを助けてくれたということだ。

俺はモリィに自分の事をほとんど話した。スキルの事も、転生のことも、サヤのことも。

モリィに全てを話すと、しっかりと理解して信じてくれた。


「へぇー、コウモリさん転生してここに来たんだ!転生とかって本当にあるんだね!」


異世界でも転生は信じられてないらしい。

まあそうだろう。記憶を持った状態で転生するとは限らない。

それに、死んだ人がどこに行くかなんてその人にしかわからないし、転生してここに来たとか俺が逆の立場なら絶対に信じないだろう。


俺はスキルの事でまだ知らないことがたくさんあり、モリィに教えてもらう事にした。

ところが、モリィは記憶というスキルしか使えないらしい。

だから、細かい事はわからないけどできる範囲で教えてくれた。


「すごい!スキルたくさん持ってるんだね。

コウモリさんが持ってるその超音波ってスキルは普通の人間は絶対使えないんだよ。

だから今の姿のコウモリさんが超音波使って魔物を倒したらみんなびっくりすると思うよ!」


どうやら、俺の持ってるスキルの超音波はコウモリしか取得することができないらしい。

たしかにこんなにすぐ人や魔物を殺してしまうスキル。みんなが使えるなんて危険すぎる。


俺はさらにスキルの危険性を知り、冷や汗をかいている中、唾をゴクッと飲んだ。


そんな事を話していると、いつのまにか洞窟の出口に到着していた。

出口から洞窟の中に差さっている日の光を見た俺は人間だった頃、毎朝学校に行くため早い時間に玄関を出た時の日の光を浴びて、体にやる気がみなぎってくる感覚を思い出した。


洞窟から出て伸びをしている俺に、モリィはとてもウキウキそうな感じで、俺の手を引っ張りながら、人間の街へ連れてってくれた。



次回から登場人物が増える予定です!

たくさんの人間が出て来ます!

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