燃えるよ!れいかちゃん!

u-ra

プロローグ

 

 春だというのに、まだ少し肌寒い日の朝。


「はると起きて朝だよ」


 幼馴染のれいかが俺の睡眠を邪魔しにきた。


 朝にはめっぽう弱い俺は、せめてもの抵抗をした。


「後五分だけ寝かして………」


「だめだよ、学校に遅れちゃう」


「なんでもするから、お願い……」


「なんでも?……っ………!?」


 その瞬間、肌が熱くなるのがわかった。


「熱いッ!?」


 俺は飛び起き、れいか見るとれいかはメラメラと燃えていた。


 幼馴染のれいかは生まれつき、感情が高ぶると体が燃えるという体質だった。


—————表現ではなく本当にだ。もう小さい頃から見ているから慣れている。


「な、なんで、燃えてるんだ!?」


「な、なんでだろう………コントロールができない……」


 幼い時こそ事ある毎に体を燃やしていたれいかだったが、成長したことにより感情のコントロールができるようになった。


 しかし、今のれいかはコントロールできていないようだ。


「は、はると……抱きしめて……!」


「わ、わかった」


 これは、緊急事態の合図だ。


 もし、感情がコントロールできず、不意に燃えてしまった時のマニュアルが存在する。それは、体を抱きしめ、落ち着かせることだった。


「れいか!」


 俺は燃えているれいかの体を抱きしめた。


「————————っ!!!!!!」








 れいかの体はよく燃えた。


 






 俺の体もよく燃えた。


「熱ッッッ!!!!!!」


 俺の声が部屋に響き渡った。

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