第4話 結婚と出産
ママと父ちゃんは同じ会社で働いていた。
あ、ちなみに私は父のことを"父ちゃん"と呼ぶ。父ちゃんは娘にパパと呼ばれるのが何故か嫌だったみたいで、姉が生まれた時から、「俺のことは父ちゃんって呼べ」といっていた。
この話を聞いただけで、うちの父ちゃんが変わりものだということは分かってもらえると思う。娘の私でもなぜママと父ちゃんが結婚したのかは未だに理解不能だ。
そんなこんなでママと父ちゃんが結婚して、姉が生まれた。そのころは親子三人で世田谷区に住みながら、ふたりとも会社で働いていた。
四年後、私が生まれたと同時にママは会社を辞めた。父ちゃんも会社を辞めた...!?
そう、父ちゃんまで退職して、何を言い出すのかと思ったら、
「都会で子育てはしたくない!」
なんてことを言い出して、長野に引っ越したいと...。
なぜ長野なのかは謎だったが、とにかく田舎に引っ越したいと。
ママも渋々引っ越しを考え始めた。そして、ママのお父さんが建てた山の中の別荘を思い出した。
鹿児島の田舎。の中の田舎。霧島連山のふもと(温泉や登山で有名だから聞いたことある方もいるのではないかな?)。とにかく、とんでもないド田舎に親子四人で引っ越した。
それはそれは何にもない場所で、基本的には車がないとどこにも行けない。
もちろん、そんなところで仕事を見つけるのはかなり大変だっただろう。
温泉が有名な場所だったので、観光業が栄えていた。おかげで、父ちゃんはホテルのフロントで働けることになった。
ママは、四歳の姉と生まれて一か月の私の面倒を見なくてはいけなかったので、主婦となった。
しかし、父ちゃんのお給料だけでは足りないことは目に見えていた。
そこでママは、自分の能力を仕事にできるのではないかと考えたのだ。
実際に、ママはヒプノセラピーのメカニズムを東京で学んでいた。だから、オーラが見える以外にも、いろいろできるようになっていた。それを生かせば、生活費の足しになると思ったのだ。
こうして、ママは"ヒーリングワークス"という名前で自営業を始めた。
具体的に言うと、お客さんがママのところにきて、悩みや気になることをはなして、それに関する情報やオーラなどをママが見る。といった感じ。
ママができることは色々あった。
オーラを見る。
地球と宇宙とのつながりを感じる。
前世を見る。
などなど。
その中で最も多くの人の助けになったのは、"グラウンディング"というものだ。
このグラウンディングについては次回、説明しよう...
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