第52話
そとはほんとうに まっくらだった。
ほしが チカチカひかってる。いきがしろい。
バスていまであるきながら まーくんのおかあさんが
「もうこんな、むぼうなこと しちゃだめだよ。たまたまあえたから いいけど、もしかしたら、このびょういんじゃなかったかもしれないんだから。」ってオレたちを ちゅういした。
でも、あえたからいいじゃん・・・ってオレはおもったけど
それはいわないでおいた。
かえりのバスは きたときより こんでいて たってるひともいたけど
ふたりがけのせきが ちょうどひとつあいていたので
いそいで そこにすわった。
かずくんは
まーくんがげんきそうであんしんしたみたい。
「まーくんに あえてよかったね。」
「なんだか おなかすいたね。」
「バスでパン食べたら だめだよね。」
「おかあさんに しかられるかな?」
って とってもおしゃべりだった。
そして
「さとちゃんといっしょに おみまいにいけて ほんとによかった。
ありがとう・・・。」
っていった。それから
「そとはもう まっくらだね。」って まどがわにすわっているオレに かさなるように からだをのばしてまどのそとをみた。
「もうほしが でてたよね。あ、みえるね。」
そういって すこしそとをみて またじぶんのせきにすわった。
きょうはほしぞら
バスのざせきに ふたりですわってると
こんなにひとがのっているのに
なんだか オレとかずくんだけが このバスにのっていて
このままずっと うちゅうのはてまで いけそうなきがした。
そんなことを ぼんやり おもっていたら
オレはすこし ねむくなった。
そしたら
かずくんのあたまが こつっとオレにあたった。
かずくん、ねちゃった・・・・。
このままオレまで ねちゃったら
おりるバスていを とおりすぎちゃうかも・・・。
オレはしっかりめをあけた。
かずくんは オレにあたまがあたると
ねたまま もとに もどるんだけど
すこしすると また
あたまが たれてきて
オレにあたる。
もう
もとにもどらないで ずっとオレに よりかかっていても いいのに
・・・・
まーくんは にゅういんして たいへんだったろうけど
おかげでオレは
かずくんといっしょに
ちょっとぼうけんが できたきぶんだった。
バスのアナウンスがオレたちのおりるバスていをいった。
「かずくん!おきて。つぎおりるよ!」
かずくんは あわてておきて サイフからバスだいを よういした。
バスをおりると
オレのかあちゃんと かずくんのかあちゃんがまっていた。
オレは おこられるのかとおもっていたし
かずくんも そうおもったみたいで
オレのうししろにちょっとかくれた。
でも
かあちゃんは「おかえり」ってやさしくいって
オレもかずくんも おこられなかった。
よかった。
きょうはほしぞら
ほしがたくさんでていた。
いつかまたかずくんと
こんなふうな たくさんのほしをみながら
すごすじかんがあったらいいな・・・とおもった。
おわり
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