第29話 あきかぜ

じゅんくんとマラソン大会。


男子はじゅんくんのはなしもするけど


マラソン大会にもえている。


休み時間のじきゅう走のグラフが


だれが1ばんか まい日はなしをする。


ぼくとさとちゃんはマラソンがきらいだから


まい日あんまりいっしょうけんめい走らない。


だからグラフはみじかい。


まーくんは走るのがとくいだから


1ばんか2ばんか3ばんにグラフがながい。



女子は


じゅんくんのきょうみがつよくて


休みじかんはいつもじゅんくんのはなしをしている。


こっちをむいてくれたとか


わらってくれたといか


少しはなしをしたとか


そんなはなしばかりしている。


「じゅんくんにラブレターかこうか?」


「やだ~」


「わたしはちょくせつあってすきっていいたいよ」


「じゅんくんとキスしたいよね」


「ファーストキスしたいね。」


「わたしもうファーストじゃない!ほいくえんのときクラスの男の子としちゃった。」




「へー、ファーストキスだって、おーちゃんキスしたことある?」


女子のはなしをきいてまーくんがきいた。


「ないよ。まーくんは?」


「オレもないよ、かずくんは?」


「ぼくはあるよ」



ふたりはどうじに「えええっ!」とこえをだした。


「だれとしたのっ」ってふたりがおどろいてきくから


ぼくはわらいながら


「おかあさん」ってこたえた。


そしたらふたりともいっしゅんおどろいたかおになって


そのあとわらいだした。


「かずくん、ちがうよー、それはちがうよー」


ってまーくんがぼくをペシッってたたく。


「だって、ほんとのことだもん。あかちゃんのとき なんどもぼくの口にちゅ~したんだって。」


ぼくがいうとさとちゃんも


「それなら、オレもある。」っていって


3にんで大わらいしてたら


女子がじろりとこっちをにらんだ。


「あ~、うちのクラスの男子はいまいちだよね~」



「女子ってそういうはなししかしないから、つまんねー」


まーくんが小さなこえでいうから


ぼくたちはまたわらった。



女子たちは


プイってこっちをみてから


「となりのクラスにあそびにいこうか?」


ってきょうしつをでていった。



きっとじゅんくんをみにいくんだ。


ぼくもいっしょにいきたいなとおもったけど


「じゃあオレたちは、グランドにいこう」ってまーくんがいうから


女子たちといっしょにとなりのクラスにいって


じゅんくんとはなしをしてみようという


ぼくのたくらみは


いっきにくずれさった。



しかも、グランド・・・


まーくんはじきゅうそうして


グラフのせんをのばすつもりだ・・・。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る