赤口に、不振を射た
始発電車に乗り込み、座る場所を確保した。気のせいか、車内が幾分空いているように見えた。巨大連休の反動かも知れない。
発車と同時に本を開いた。池波正太郎の『散歩のとき何か食べたくなって』(新潮文庫)である。初めて読んだ池波エッセイがこの本だった。以後、再読を繰り返している。これが何度目の再読なのか、最早わからぬ。
職場到着。売店に行き、ホットコーヒーを買った。今朝の俺は菓子パンを食べる元気もなかった。こういう場合は、無理に食べない方がいい。食欲が湧いてくるまで、気長に待つのだ。
窓際の卓席に座った。コーヒーを飲みながら、ラジオの情報番組を聴いた。今日の話題は「スガさんとアソーさんについて」であった。
午前業務終了。食堂に行き、Bランチ(煮魚)を食べた。魚の種類は不明。地球産であることだけは確かだ。今日の小鉢は冷奴。豆腐もいいが、俺の中では「オカズ」ではなく「酒肴」のイメージが強いのだった。奴を食べていると、お酒が欲しくなるから困ります。
食後、休憩室に行った。仮眠の支度を整えてから、散歩のとき…に収録されている「大阪ところどころ」を読んだ。読み終える頃には、胃袋が完全に復活していた。池波先生の作品にはこういう効能もあるのだ。〔13日〕
[シンカワメグムさんのコメント]
散歩のとき何か食べたくなって。まずタイトルが良いですよね~!
『なんだろう…?』と、池波作品を知らない人でも手に取ってみたくなります。
東京には縁のない地方民なので想像するしかありませんが「神田まつや」
気になります!歴史ある名店は、死ぬまでに一度は言ってみたいですねえ…
←すでに老人の考え方(笑)
先生が東京オリンピックで、古き良き東京を変えてしまったと言ってましたが、
まさかオリンピックがもう一回来るとは、先生も思ってなかったでしょうね~
生きておられたらお眼鏡にかなう名店がいくつあるのか…あるかなあ~?(笑)
Bランチ。煮魚。おっ良さげ!(笑)お豆腐も消化によさそうですね。
池波作品を読んでからの社食は若干、コレジャナイ…があるかもしれませんが、
食欲が戻って何よりです!ご無理なさらずくれぐれもご自愛くださいませ~!
(/・ω・)/
[闇塚の返信]
題名も素晴らしいし、池波先生自身が手がけられた表紙絵がまた良いのです。
ゼロではないにしろ、少ないかも知れませんね。でも案外、当世流は当世流として、柔軟に受け入れられたのではないかとも思います。
おかげさまで、回復しました。朝飯を食べないというのは、今の俺には大変珍しいことです。前の晩にいささか呑み過ぎました。ラジオを聴きながら呑む酒は旨いのです。
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