死神 5

 オレは自分のアパートに到着した。オレの部屋は2階にある。外階段を使わないと行けない部屋だ。その外階段に向かって歩いてたら、突如背中から声が。

「ちょっと待ってください」

 オレははっとして振り返った。そこには2人組の男が立っていた。なんか怪しい雰囲気・・・ オレは一瞬ビビったが、2人はそれぞれ手帳を開いて、その中のバッジをオレに提示し、こう言った。

「警察です」

 よかった、どうやらこの2人は刑事らしい。しかし、なんで刑事がこんなところに?

 リーダー格の刑事が質問してきた。

「あなた、30分前書店で起きた強盗傷害事件を見てますよね?」

 それか・・・ まさにその通り。オレは肯定した。

「あ、はい」

 次に若い刑事が質問してきた。

「あなた、あの場所から逃走しましたよねぇ? なんで逃走したんですか?」

 ええ・・・ オレはフリーズしてしまった。やっぱ逃げたのはまずかったか?・・・ う~ん、何か説明しないと・・・ が、ベテラン刑事の方が畳みかけてきた。

「ちょっと警察に来てもらえませんかねぇ?」

 あれ、もしかしてオレ、万引き犯の一味と思われてんの? まいったなあ・・・ オレはなかば強制的に警察に連行されてしまった。


 けど、オレは1時間ばかしで解放されることになった。すぐに濡れ衣だとわかってもらえたのだ。

 が、警察署を出ると、その玄関前にもっと厄介なヤツが待っていた。刺された万引きGメンの相棒だ。20代前半て感じの女。一応美人だが、眼が怖い。ちょっと嫌な感じがある。

「あは、どうも」

 オレは何か言おうとして、とりあえずこんな言葉を発してみた。

「どの面下げて警察署から出てきたかと思えば、ヘラヘラしたふざけた顔なのね」

 ああ… 想定してた以上の厳しいお言葉が返ってきたよ。

「あの~ 刺された人は?」

 オレは定石通りの質問をしてみた。

「へ~ 知りたいんだ。そりゃ気になるわよねぇ。死んだらあんたの仲間は殺人鬼になっちゃうもんね」

 だから、オレは仲間じゃないってばさあ・・・

「教えてあげるわ。来て」

 と言うと、女は振り向きざま歩き出した。おいおい、オレ、どうすりゃいいんだ? この女について行くしかないのか? もう仕方がないなあ・・・


 太陽はすでに傾き、もう夕暮れになっていた。オレと女万引きGメンが歩く先にかなり大きな病院があった。直感的にわかった。さっき刺された万引きGメンが入院してる病院だと。

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