DNAの書き換え
昔の三種の神機は、カラーテレビ、エアコン、自家用車だったが、今はかなり様変わりしている。遺伝子操作、3Dプリンター、AI《人口知能》が今の三種の神器だ。
遺伝子が有意に影響することは多い。背の高さ、頭の良さ、顔の良さ。性格とかも遺伝子がかなり影響している。
逆にいうと、遺伝子を操作することができれば、大抵の問題は解決してしまうというわけだ。
暗い性格なら、明るい性格になるように遺伝子を操作すればいい。
知能指数をあげたいというなら、遺伝子を操作してしまえばいい。
お金持ちばかりが遺伝子を操作するメリットにありつけていたが、だんだん一般人も遺伝子を操作できるようになってきた。
それこそ、整形でもするように遺伝子を操作して、理想の自分となる。
CRISPRといわれる技術で、特定の遺伝子を切り離し、編集できる。
やや、コストがかかるが保険がきかない実費というだけで、整形手術みたいなものだ。
頭がよくしたいなら、その遺伝子を操作できる。抑うつになりやすいならその遺伝子を操作して直すことができた。
遺伝子を書き換えられないなら、親から引き継がれた遺伝子をそのまま使うしかなく、格差はさらに開くことになる。
遺伝子を組み替えることで脳の仕組みを作り替えることができ、変化の速い時代にすぐ適応できた。
昔は飢餓が普通であったが、暴食の時代ではこれは適さない。
遺伝子を組み替えると、無駄に油や糖分を欲することもない。
これは理想的な話だった。
昔は栄養がすくなかったから、というだけで糖分やら、油分を欲しがるのは時代遅れであるからだ。
ふと疑問を感じた。手が二つというのは、時代遅れではないだろうか?
蛸は八本の足を自在に扱うことができる。遺伝子を組み替えれば腕の数もふやせるのではないだろうか?
そうおもって、手を増やすことに成功した。
そんなことを考えて、手足をふやし、触手を増やした。
今は、海に棲み、触手を自在に扱うことができるようになった。
地球は海が大半だ。海に棲むのが普通だろう。
そうやって遺伝子をいじっていると自分が何者かわからなくなってきた。
蛸なのか、人なのか、もはやわからないが、特に問題はないだろう。
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