世間に合わせるのは大事なこと
空気を読み、周りに合わせるように生きてきた。
状況を考えて、不必要な発言は避け、人に衝突しないように気を付けている。
人がどう考えているかを読んで、その場に適した発言をしているように心がけていた。
会社での会議でもそうだ。
目立たないように、それでいて存在感が消えないように意見する。
行きの電車でも、足を踏まれても頭を下げた。
さらに、危険だと思うところには近づかないようにしている。
家に帰っても、妻の顔色を見て、子供の世話や、家事の手伝いをして、ご近所にも愛想よくしていた。
自分としては、よく観察し、人間に合わせているはずだ。
とはいえ、ストレスがたまっていたようで、うっかり失敗してしまった。
それは、休日に散歩をしていたときだ。
ゴトリと重い音がして、首が転がった。
悲鳴が響く。道行く人がこちらを指刺し、絶叫していた。道に落ちたものは、自分の首だ。
うっかり、人間に成り代わっていることを忘れていた。
人に合わせているつもりだが、人間はどうしてこんな重い物を首に乗せて歩くのだろう? それは今でもわからない。
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