ついていった先は……。
仕事で役に立てるため、とある資格をとることにした。
資格試験はそれほど難しくなく。
一月勉強すればとれるレベルのものだ。
資格が取れると昇給につながり、メリットもある。
一月、仕事終わりの眠さと戦いながら、勉強を続けていた。
5年分の過去問も80点をとれるようになり、合格も問題ないと思えてきた。
時の流れは速い。今日は試験日当日。
余裕を持った時間に家をでて、試験会場に向かうことにした。
会場は、二時間も電車を乗り継いでいきつく先だ。
ふと、電車をおりて試験会場にどのような道のりでたどり着くか調べるのを忘れていたことをおもいだす。
スマホで調べてもいいが、ほかの人についていけば会場にたどり着けるだろう。
目的の駅に着く、試験の問題集を手に持っている男性がいた。
彼についていけば、間違いない。
そうおもい、彼についていく。
後ろにも同じ試験を受けるであろうほかの人がついてくる。
男は思ったより早い足取りで進んでいく。
何かおかしい。一時間以上歩いている。
さすがにこんなに遠いわけがない。
他の人も何も言わずついてくる。
日が沈み、夜が近づいてきた。
足が棒のよう思える。
他の人も何も言わずについてきた。
頭がぼんやりしてきた。
足を動かす。周りは夜だ。
後ろを見ると百人以上の老若男女がついてきた。
足が自動的に動く、日はすで沈んでいた。
一体自分はどこに向かっているのだろう?
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