見世物小屋のお化け
町はずれに掘っ立て小屋のような見世物小屋が乱立しているところがある。
見世物小屋といっても、大体は、作り物や、出来損ないの置物でお茶を濁している場合が多く、他には戦火で怪我をしてしまって、手足を失ってしまったものが身をやつして見世物となっている場合もあった。
自分の店も、一時期はにぎわっていたが、客もありきたりの見世物に飽きてきていて、日に日に客足は遠のいていた。
こんな商売をしていると、妙な噂もよく聞こえてくる。
あるとき三つ目のお化けがでるといわれている伝説を聞いた。
なんでも、山奥に三つ目の小僧の目撃談があるらしい。
眉唾ものだが、店の売り上げも低迷し、そろそろやばい。
もし、生け捕りにできれば、いい見世物になるだろうと思い、数人の仲間とともに噂の山に登ってみた。
さんざん山道を迷って、一人はぐれてしまった。
どれくらいさまよっただろうか、妙に開けた場所にでた。
山間の村だろうか?
人の気配がする。
助けを求めて、村に入ると、その人はすべて三つ目だった。
男も、子供も、女も三つ目だった。
一人さらって、連れ帰ったら、まさに本物だ大儲けできる。
そう考えていると、一人の子供がこちらを見て悲鳴をあげた。
「うわぁ、二つ目のお化けだぁ」
三つの瞳を持つ村人が集まってきた。
周りを包囲される。逃げ道はない。
どうやら、今度は自分が見世物になる番のようだ。
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