振り向き美人
ナンパ目的で、街を歩いていた。
今日は何度も女性に声をかけたが、無視され、断られてとさんざんだった。
そろそろ、切り上げようと考えていると、目の前に歩いている綺麗な黒髪の女性を見つけた。
いまだ、後ろ姿しか見ていないが、スタイルもよく、好みだった。
これは間違いなく美人だと確証を得た。
ここで、声をかけないと後悔すると思い、近づく。
時間的にもこれが今日最後の声掛けとなるだろう。
ちょうど黄昏時で、ゆっくりと赤い色で町は包まれていく。
周りには人は少なく。こちらを注視するものもない。
あと一歩というところまで近づく。
肩に手を回そうと思った瞬間、彼女の首がぐるりと回転した。
体が背中を向けているまま、首だけが一回転して、こちらを見た。
彼女は、薄く笑う。
頭が、真っ白にになったのち、こみあげてくる悲鳴を抑えて、彼女の顔を見つめた。
その顔は確かに美人であった。
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