第13話 教えて!ミキ先生!!
「これで魔力の適性が分かるんですか?」
先ほどとは少し大きさが小さい水晶玉が出てきた。
「これに手を置いてみて」
また手を置くだけでいいのか。楽でいいな。
そして魔力量が少ないせいか少し時間がたって水晶玉が光りだした。
「こ、これは!」
「はい! お嬢様」
まーた二人で盛り上がってる。どうなんですか? いいんですか?俺からするとカラフルでなんか強そうなんだけど。
「あんたすごいわよ!! すべての属性に適性があるわ。こんなのあのお話の英雄と同じよ! まあ、あの英雄魔法結局使っていなかったけど……。じゃなくてこれなら何でもできるわよ」
「はい、この世界には火、水、風、土、雷の基本魔力と光、闇、そして無の合わせた8つの魔力適性があります。基本的には基本属性から一つ、そしてそれ以外から一つの二つをもって生まれることが普通です。ですがレン様はそれらすべてをお持ちのようです」
「本当ですか? 良かった。魔導士ってやつになっちゃおうかなぁ」
そう息巻いているとそれを覚ますように思い出した。
「でもあんた魔力量少ないからまともに魔法使えないんじゃ……?」
あ、そうでした。神は二物を与えたりしなかった。こんなのチート能力意味ないじゃん。てか適正があるってことが俺のチートじゃないですよね?
「でもすべての魔法が使える可能性が秘めてるって考えればいいです」
前向き思考が一番だ。
「いえ、厳密に言うとすべての魔法を使えるわけではないんです」
「え?すべてに適性があったらそうじゃないんですか?」
当然の疑問だ。
「基本属性は住む地域や一族によって違うところがあるんですよ。例えば北の寒い地域に住む人は水の適性が氷だったり、エルフの一族の一部は土の属性が木だったりするんですよ。でもほぼすべての属性の魔法を覚えられますよ」
そんなものは誤差なのでいいですよ。でもこういうところ好きですよミキさん。
「ありがとうございます。そう言うのはいつか図書室で調べてみます」
「ちなみに私は火と光の二つよ」
「なんかそんな感じしますよね」
取り合えず今のうちに魔法について聞いておこう。
「で、火とか水ってのは想像できるんですけど光、闇、無ってどんなものなんですか?」
「はいはい、私が答えるわ。光と闇はほか国では陽、陰って呼ばれているとこもあって光は支援って感じが一番強いわね。回復治癒魔法もこの中に入るわ。それで闇は妨害に近いわ。それであんまりいないけど毒魔法もこの中に入るわ。無魔法はよくわかっていないんだけどそれ以外って感じね」
想像していたのと同じだが、回復系や毒系の魔法も含まれているらしい。
「と言うことですが、ほかに聞きたいことはありますか?」
なんか先生っぽいな。
「はい先生、さっきから気になっていたんですが、魔法使いと魔導士って何か違いあるんですか?」
少し気になっていたんだが俺は魔法使いと言っていたのだがみんなは魔道やら魔導士と言っていたのだ。一応通じていたのを見ると意味は分かっていそうなんだが。
「ああ、その事ですか。結構複雑な事情がかかわってくるんですが説明しておきましょう」
「まず、魔導とは魔法と魔術の両方をまとめて大きなくくりに入れたものを指します。魔導士と魔法使い、魔術師もそのようなものと思ってくださってかまいません」
「はい、魔法と魔術の違いは何ですか?」
なんか教師と生徒っぽい。
「はい、良い質問ですレン君。まず魔法とは詠唱を必要とせず自身の想像の中で構築するものです。そして魔術とは詠唱などを使用してイメージ度外視で構築するものです」
「イメージをそのまま生み出す魔法と、式をたてて生み出す魔術って感じですか」
なんかよく分からなかったがそんな感じだろう。
「それってどっちが強いとかあるんですか?」
「そうですね、決まってるわけではありませんよ」
それなら自分が向いているほうを選べばいいのか。
「ではそろそろ、向かいましょう。気になるところがまだおありでしたら道中で説明いたします」
また馬車の旅が再開された。今度はどこに行くんですか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます