第6話
『真珠!癇癪を起こしたんだって?私にも癇癪を起こす真珠を見せてよ!』
『おかえりなさいませご主人様』
ナタリーの嫌がらせはそれだけに留まらず、ご主人様の帰宅時間に合わされて私は腕を掴んで玄関ホールに引きずり出された。
そして嬉しそうな女の声でご主人様を出迎えーーーーーーーそんなナタリーを素通りするとご主人様はいつものように私を抱き上げた。そんな私をナタリーはご主人様の後ろからきっと睨む。
『今日はお出迎えまでしてくれたんだね。君と会う時間が少しでも長くなって嬉しいよ!』
嬉しそうに嬉しそうに私を抱きしめて、部屋に戻ろうとして
不意にご主人様は立ち止まった。
『スチュワート、ナタリーを矯正施設に連れて行け。ソレはもうココには不要だ』
『そんな!ご主人様!?』
ナタリーが悲痛な声を出したけれど。
彼女は玄関にいたご主人様の部下に腕を引かれて家から出ていった。
『怖かったね真珠。もう大丈夫だよ、次はもっといい友達を準備するから』
そしてご主人様はいつも通り笑った。
次の日、新しい女性奴隷が来た。
けれど数日後にまたご主人様が寝る前にどこかへ行くようになってくるとその女性も私に敵意を向けてきて、居なくなった。
そんなことが数人続くと、流石に夜にご主人様が抜け出して何をしているのか気になってきた。
なのである日。部屋を出たご主人様の後を追って見た。
ご主人様はすぐに見つかった。
今の奴隷女性褐色の肌を持つジェシカの部屋にいた。
扉は開いていて中がよく見える。
絡み合う褐色と白色。
揺れる金髪と焦げ茶。
ーーーー聞こえる女の喘ぎ声。
『…ん、ああ真珠。寂しかったのかい?今終わらすから少し待ってね』
廊下から見えるという事は、中からも見えると言うことで。
ご主人様はいつもの笑顔でこちらを見ると、腰を数回振って性交終わらせたようだ。そしてズボンと下着をちゃんとすると、私の元まで来ていつものように抱き上げる。
『真珠は寂しがり屋だね。今度から着いてくるかい?』
いや結構です。そう思い首を横に振ると、何故かご主人様は目を輝かせた。
『そうか!そうかそうか、じゃあ早く終わらせるようにするね!』
そしてすぐに部屋に戻っていつものように私を抱きしめて眠った。
なんのことは無い。
女性奴隷達はご主人様に抱かれて好意を抱き。
そして特別扱いの私に嫉妬して、嫌がらせをしてきたのだ。
でも、どうでもいい。
精神的な嫌がらせはあれど、殴られるような肉体的なものは無い。
そして幾人もの『私の友達奴隷』が消えていった。
私は、変わらない。
ご主人様も変わらない。
ご主人様はお気に入りの人形を傍に置くように私を愛でる日々であった。
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