私のもの
@KAGOME_desu
第1話
少女は冬の寒さの中、刻々と近ずいてくる
終に怯えながら路地裏で捨てられていた
―私には何の価値もない
―私は動物のようだ
―死んでしまえば、きっと自由になれる
腕の感覚がない。私にはもがく腕もなくなってしまったのだろうか、まあそんなことは価値のない自分にはどうでもいいのだろう。冬、と言う季節なのだろうか
…寒い、し冷たい。(嗚呼、誰かに愛されてから死にたかったな)
少女は近ずいてくる最期に微かな想いを心の中に
響かせながら、人身売買でもいい、売春でもいい、
私をここに捨てた誰かでもいい誰か、誰か、私を
"愛して"
―コツン―コツン
誰の足音だろうか、もうこの際誰でもいい。
―コツンコツン
「ここの路地裏を通った方が、私の家には早く着くだろう。計算通りだと最短距離だ」
刹那―男は息を呑んだ。
腕のない恐らくまだ未成年の少女が今にも事切れそうに袋に入れられ横たわっている。
「そこの君!私の言葉は聞こえているか!聞こえていたらなにかサインを送ってくれ!
私のもの @KAGOME_desu
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