第104話 ーー自分なりに考えてみる。

意識を戻った俺はゆっくりと瞼を開け立ち上がるが俺は少し不安な気持ちが溢れてきたのだった。


神様には会ってきたけど、、そこまで情報が得られなかったか……


「仕方ない……一旦家に帰るか」


〘転移〙


【転移】した俺だったが……その先には俺の家族達が待ち伏せていた


「オスト、、一体どういう事だ?何であんな事をした!」


だいぶ怒っているらしい……父親の感情が身体中の隅々まで染み渡って来る


「すみません。」


俺は深く頭を下げ落ち込んだ声で謝るのだ

それを見た家族達は困った様子になり溜息を付いた


「オスト…理由を教えてくれないか?何で勇者を殺そうとしたんだ?」


その言葉が俺の耳に聞こえてくると少し顎に力を入れ歯を食いしばる…言わないといけないのか?、、でももう隠しとうせない気がする


「………」


で、でも……まだ言えない、、きっと言ったらアイツらは必ず俺の家族を殺しにくる筈だ……。


「ごめん、、父さん達まだ言えない……けど落ち着いたら話すよ」


鋭い目で父親を見つめると頭を少し悩ませ言葉を発した。


「仕方ない……分かった、、けど落ち着いたら必ず話せよ?」


「ありがとう父さん」


父さん達との会話を終えた俺はこっそりと元俺の部屋に静かに眠っているエミリア達がいる


その横には歩美もぐっすりと眠っていた。


(こいつらは……いや知らないままの方が幸せなのか、、)


全員の顔を目に焼き付け部屋から出ていこうとすると後ろから俺の名前を呼ぶ声がした


「オスト兄……」


「歩美……起きてたのか、、」


「うん……オスト兄はまたどっかに行くつもりなの?」


不安なのだろうか……身体を震えさせながらビクビクしている様子だ


「歩美……」


そう言うと俺は歩美の元に近づきゆっくりと手を頭に乗せた


「俺はどこにも行かないし置いて行ったりなんてしない」


「でも……そう言って前は置いて行ったじゃんか……」


前世の俺は今と違い全くもって力がなくほぼ皆無だった


しかし今は違う……歩美がいる……エミリアやシルクやブレアやリベストアが俺のそばに居る


だから……心配はいらないし……なんて言ったって今の俺には力がある


するとゆっくりと口が喋り始める


「歩美聞いてくれ……昔の俺はあの両親の言う通りゴミだったと思うし学校でも歩美の家族という事に皆は嫌悪感を抱き虐めもされてきた」


今になって思う……日本にいた頃の俺は本当に無能だって事に改めて気付かされたのだ


「そしてあの両親に殺されこの世界に転生してそっから成長して行った……そして遂にお前といや歩美に再会出来た事が嬉しかった!」


俺はニッコリと笑い冷静を保ちつつ話を進める


「その時は歩美がまさか王になってるとはあん時は思ってもなかったしまさか両親を殺して更には自分で首を切ってこっちに来たことに関しては何とも言えないけどさ……それでも俺は嬉しかったぜ!」


「お兄ちゃん……」


「ハハ……久しぶりに聞くな!その言葉」


「お兄ちゃん……お願い……1つだけ1つだけ約束して!」


涙をポツポツと流しながらこちらを向いてくる


「あぁ……」


「ぜ〜っっったいに死なないで!死ななかったらここに戻ってこれるし何度でもやり直せれるから!!」


確かに……死ななければ人間は幾らでも機会をやり直せれるのだ


「確かにな……分かったよ……歩美」


「約束だよ!」


歩美は俺の目の前に指切りげんまんをしようと差し出してくる


「あぁ……」


そうして俺達は約束を交した…………

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