第103話 協会


俺が転移した場所は神に祈りを捧げる場所で有名な場所、、そうーー教会に来ていた。


(誰もいない………)


流石に教会に人はいると思っていたがそんな事は無かった


しかし特に気にすること無く俺は神を祀っている仏像に近づき目を静かに閉じた。


すると俺の事を呼ぶ声が聞こえてくる


「久しぶりじゃな……お主」


「神様……」


明るく呼んでくれた神様を見て少し安心するのだった


「ところでこの世界に転生して楽しいか?」


俺の顔を見て疑問に思ったのかそう質問をしてくる


ーーだが心配をさせる訳には行かない……俺は「楽しいですよ!」っと答える


「そうか……ならいいんじゃがな」


「それで神様……要件なんですが……」


そして俺はリノアの事……アルべナの事……そして力のこと……ありのままの全てを伝えた。


「なるほどの……でもおかしいのう」


「………?」


俺は少し頭傾げた


「いやのう……勇者と言うのは基本的には精神魔法とかは一切食らわないんじゃよ、、」


「え?……ってことはリノアは演技をしてくるってことですか?」


「いやそれもおかしいんじゃよ……演技をしているならなにかしらお主に対して仕掛けてくるはずじゃ」


その時だった、、神様の後ろからコツコツっという足音が聞こえてくる


「よぉ!人神相変わらず元気なのか?」


そう言って神様の肩をポン!っとガタイが良く大剣を持った人が叩く


するとその後ろにいたもう1人の女性は呆れた様子で大剣を持った人に注意をしていた。


「こら、、シグ!人神を強く叩かないの!」


「あぁ〜すまんすまん!」


「い〜やいいんじゃよ!儂も構ってくれて嬉しいしのう!」


「全く、、シグに甘々ですよ……人神」


一方俺は3人の間に入り込む暇もなく真横で真顔になりながら棒立ちをしていたのだった


「あっ!そうじゃった!オストよ紹介しておこう……こっちの大剣を持ち体格のいい奴はシグ、、自然の神じゃ!そしてこちらの女性は女神アストラじゃよ」


「よ……よろしくお願いします」


少し頷きながら挨拶を交わすと自然の神シグがこちらに近寄ってくる


「お前、、見たところ結構魔力持ちだな」


まぁ昔から魔力の訓練はしてあるからね、、


「自然神よ……そんな事の為にここに来たのか?」


「あっ!そうだったぜ!うっかり忘れてた、、実はな………」


すると自然の神シグはゆっくりと物事を話し始めたのだ。


「最近勇者が現れたろ?そいつのなんだっけな、、師匠?弟子?分かんねーけどそいつと一緒に森や動物達を実験台や破壊しまくってんだよ」


勇者?、、って事はリノアの事か?そしたら多分師匠の方だな


俺はそう確信するのだ


「そうなんですよ!だから私も加護を与えた者に治療はさせているんですが、、中々間に合わなくて」


「ふむ……取り敢えず分かった、、」


「何とか出来ねーのか?勇者に対抗する力を誰かに与えたりとかよ」


「儂にそんな力は無いわい!っと言うか対策はまた考えてやるから今日は一旦帰りなされ!」


「仕方ねーなぁ!まぁ、、また来るぜ!そいつにも興味沸いてきたしな!」


「は、はぁ、、」


そうして自然の神シグと女神アストラは帰って行った。


しかし俺に興味があるって少し怖いけど、、まぁ悪い人では無さそうだな


「うーん……やはり何かが引っかかるのう」


人神はそう言って頭を悩ませている様子だった。


「やっぱりですか、、」


「あぁそうなんじゃが……思い出せんのう……まぁ取り敢えずまた勇者に動きがあったら教えてくれ!その時は力になってやるからのう」


「分かりました!ありがとうございます!!」


「そろそろ時間じゃしのう……一旦お別れじゃ!」


最後に手を振ると辺りが真っ白になり次の瞬間目を開けると協会に居たのだった。

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