第100話 狂った人生

「こ、これどう言った状況なのでしょうか!?司会者の私ですら分かりません!」


するとリノアが歩き出し司会者のマイクを奪い取る


「僕はあの伝説の魔導師アルべナ・ホーラの弟子でそして未来の勇者様だ!!だから見てもらおうと思う僕の最高の晴れ舞台を!!」


(一体、、何を考えているんだ?……こいつは)


考えている事が読み取れないのだ……前とは違い既に壊れている


「お前は、、何がしたい!俺への復讐か?それともこの場で殺人鬼になりたいのか」


「どちらでもない……僕は僕らしく行くんだよ!僕の晴れ舞台を師匠に見てもらってエミリア達心を掴み全て僕の物にするんだ!!」


満遍の笑みを浮かべる……その時、、俺は『怒り』と言うのを抱くのだ


「そっか、、安心したよお前を倒す理由が出来たことを………な」


もう怒りが爆発しそうだ……こいつはぶっ壊れている


俺が止めなきゃ他の誰にも出来ない……だから


〘第1式 炎灯華〙


俺は不意打ちに第一式をリノアに向けて直接撃ち込んだ


〘盾〙


しかしやはり【盾】で技を防がれていた


やっぱり厄介なのだ……あの力は、、


「いきなり不意打ちとは卑怯だね?……でもそこがまた僕の気分を高めさせてくれる!」


地針じはり


無詠唱でリノアはそう魔法を発動させると俺が立っている地面から無数の針が飛び出してくる


「……っ!?」


ギリギリだが避けれたのだったのだが……魔法の威力が凄すぎる


「やるね……なら次はどうだい?」


獄廻華ごくろうか


(回転する程威力が増していく炎の輪っか……か)


「だけど、、それだけじゃあ甘いな、、」


〘第4式 風操雷駆・神〙


俺の第4式を物凄い勢いで獄廻華と衝突させその威力全てを無くすのだ


「やっぱり君しか僕を興奮させてくれない!!ゾクゾクするよ!!」


「近寄ってくるな、、変態が、、」


槌岩百鋼つちがんひゃこう


リノアが立っている地面にヒビが入り下から巨大な岩石が作られていく


〘分解〙


道は塞いだがリノアの【分解】によって先程作られた岩石は粉々に破壊された


【分解】とはその物質を全て隅々まで一瞬で粉々に破壊する事が可能となる


スタッと地面に足を着けこちらに歩いてくる


「実に楽しいよ!!やっぱり君が大好きだ!!だから僕のお願いを聞いてくれないかい?」


不可思議な笑みだ、、しかしそれすら何も感じなかった。


俺とあいつは価値観が違うからだからそう気安くその笑みを浮かべられる


「何が言いたい?」


「君が大好きだから言うよ?君死んでくれない?そして彼女達の全てをくれよ!!」


(何を言い出すかと思えば、、しょうもない………)


そう思ったと同時に俺はリノアの目の前に瞬時に移動し第式を放った


〘第4式 風操雷駆・神〙


リノアはモロに技を食らい吹っ飛んでいった


……けれど奴はこれぐらいでは絶対に死なないと分かっているのだ


「さぁさっさと来いよ、、いつまで死んだふりをしているんだ」


「あはっ!アハハハ!面白い、、実に心を揺さぶられる!!この僕が手を振るえている!!嬉しいなぁ〜……でも、、」


(表情が変わった?)


奴の表情がガラリと変わった、、先程までは狂った人らしかったが今は恨みを持った人の表情になっていた


「僕にこの攻撃は素晴らしくないなぁ、、だからお・か・え・し!」


分潰ブロスハウンド


そう魔法を言い放ち手を握った瞬間だった、、何かが出てくるのだ


「がはっ、、!?な、、んだこれ」


その正体は血反吐だった、、それも濃く今にも死にそうな量の血だ


「さぁ、、これで内蔵の一部を潰したよ?でも君なら回復出来るだろう?まぁ出来なかったらそのまま死ぬだけなんだけどね?アハハハ!!」


身体中の力が抜けていく、、内蔵を潰されてまともに考える事も出来ない、、まだ心臓じゃないだけマシだ


次第に保っていた足は力を抜けその場に倒れ込んでしまった


「い、一体何が起こったのでしょうか!?彼がいきなり倒れ込んでしまいました!?そして立っているのは未来の勇者と言っている彼です!!」


目が掠れていく、、段々と何も見えない


(回復すれば良いのだろうけど魔力を無駄に消費できないし、、)


「あ〜あ、、そのまま死んじゃう系?つまんないねぇ、、おらっ!!」


リノアに思いっきり腹部を足で蹴られてしまい転がってしまう


「はぁはぁ、、クソが、、」


「今になって命乞いかい?見苦しいねぇ、、」


そうさ、、俺は見苦しいんだよ……それは俺自身が1番分かっている


「まぁでもいいや!それじゃあこれで最後ね?ばいばーい」


最後のトドメを刺そうと魔法を放った、、


周りは煙で見えなくなった俺がどうなったかリノアが勝ったのでさえも


「やれやれ、、もう一度言うぞ?お前は死ぬべきなんだよリノア」


そう言って煙から出てきたのは俺ことオストだった


「う、、そだろ?確かにあの瞬間トドメを刺したはず!!そ、それにその目に周りに纏っている赤い雷はなんだよ!!雰囲気もさっきと全く違うし!!!」


リノアはそう言うと俺はニッコリと少しずつ笑いコイツを見下ろした

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