第99話 再会と想い
「おいおい!あんちゃんが俺の対戦相手なのかよ!」
「あぁ、、どうやらそのようだな」
「ふん!まぁいい!俺があんちゃんをぶっ飛ばせばいいってことだからよ!」
ガタイのいい男の拳はもう1人の顔面へと勢いよく当たった
ーーだがそれはもう1人の男の剣によって防がれていた
「チッ……」
「甘いな……それでも武道家なのか?」
「まだ俺は本気を出してないだけだ!調子に乗ったらいけない」
(確かにあいつはまだ力をそこまで出してはいない、、これは面白いな)
「なら、そろそろ決めてやる」
「おうよ!こい」
細身の男は深呼吸をし精神を整えるとカッと目を開くと同時にガタイのいい男の右腕を切っていた
「え?……」
「もう終わりだ」
腕からは物凄い血が流れ男はそのまま気を失い倒れてしまった
(油断してたとはいえ、、1発で腕を切るとはな、、実力を隠してたのはあっちだったか)
「だ、第1戦目の勝者です!」
審判は男の右腕を握りしめ手を上にあげた
「うおおおお!!やったぞぉぉ!!」
細身の男はデカい雄叫びを上げ周囲に響かせている
そのまま第2回戦に入る前に俺は飲み物を買いに行こうとその場を立つ
「ちょっと会場の外で飲み物買ってくるよ」
「あっ!じゃあオー君私たちの分もいい?」
「了解」
◆
会場を出てすぐそこに小さな店があるのだ、そこで水を買い会場に戻った
「お待たせぇ………え?」
カップに入った水を落とし地面に零れ落ちた
しかしそれ所では無かった
ーーエミリア達の姿がどこにも見当たらないのだ
(エミリア達は何処に行ったんだ!?……一体)
その時……1つの大きな魔力を感じるのだった
この魔力……感じた事がある、、確かあいつの……まさか!?
〘転移〙
すぐさまその場へと俺は向かった
そこは……学園の訓練所だった……そしてそこに奴は立っていた
「久しぶりだねぇ!オスト君?」
「リノア!なんで今更」
リノアの後ろを見るとエミリア達が闇属性魔法で囚われていた
【捕縛】系の魔法なら本人を倒さなければならない
「何って、、僕のハニーを迎えに来たのさ」
「お前はこの前勝負に負けた、、そしてアイツに連れていかれた筈だ!」
「そう!だから僕は師匠に改造してもらったお陰で以前より強くなったのさ」
何処までもエミリア達に執念深くついて行くらしいのだ
しかも奴の言う通り以前より強くなっている
「で?君はいつまでここにいるのかな?そろそろ帰ってくれない?」
「帰るわけないだろう!エミリア達を助ける為にここに来た」
するとなにやら思いついたのかある提案をしてくるのだ
「でも、、それじゃあ面白くないなぁ……そうだ!前と同じルールでもう一度僕と君で戦わないかい?」
「そんな事をしてなんの意味がある!」
「意味は無いよ、、ただ僕はもう一度君と戦ってみたいだけさ!そして勝ったらこの子達は僕に惚れるかもだしね!」
「駄目!オスト君そんな挑発乗ったら絶対にダメだよ!!」
エミリア………
「オー君!もう駄目!傷つかないで!お願い!!」
シルク………
「駄目ですわよ!オストわたくしたちは絶対こいつなんぞに惚れないわ!だから!!」
リベストア………
「オベスト……ネックレスを渡したわよね、、私は一途って決まってるから!」
ブレア………
「4人とも、、ごめんな守る為なんだ!だからいつかはやらなきゃいけないんだ!リノア、、それじゃあやろうか」
「いいね!でもここじゃあ場所が狭いから変えようか!」
リノアが指パッチンをすると広範囲魔法【転移】を発動させた
辺りは光に包まれた
「んっ!!………ここは」
目を開けるとそこはさっきまでいた場所の会場だった
「さぁ!ここなら観客もいて僕も楽しめそうだ!」
会場のド真ん中に転移された俺達を見るなり観客達はザワザワしている
「な、なんと!?いきなり人が目の前に現れました!!」
驚いている様子だ……しかしそれ以上に不味いこともあるのだ
そう……今日は後から姉さんや兄さんそれに両親が来る……それに多分エミリア達の両親も来ている可能性がある
「折角の機会だ!君の親にも見せてみなよ!その力を!」
「てめぇ、、、ふざけるんじゃねぇ!」
「アハッハッハ!いい声だ!実にいい!」
こいつはぶっ壊れている……
「あっそうそう!これはこの辺り全体に映し出されているから安心していいよ!」
「だから、、こんな場所に移したって訳か」
「まぁそんな事はいいや!それよりも始めようか!ショータイムの始まりだ!」
両手を上にあげそう言う姿はもう、、俺の知っている姿じゃないのだった
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