「無能なガキはここから出ていけ！」っと言われ死んだ俺は転生するとそこはゲームでは存在しない王国の第3王子でした〜でも俺はスローライフを目指します

第78話 筋肉は裏切らないーーさてお前の筋肉は？

やはり……この男の前に立つと身体中に痺れ感を覚える

この威圧感といい鍛え抜かれた筋肉

「それじゃあ遠慮なく行かせてもらうぜ！」

両手を握ると思いっ切り俺が立っている地面に向かって高速で拳を叩き込む

「おらおらおら！どうだ？この威力はよ！」

ドンドンドンドンドン！っとデカい音を立て確実に俺を仕留める威力でパンチを入れ込む……しかし俺には当たらない

なぜなら俺は既に【縮地】で移動したからだ

「これが俺の持つ魔法……砕憐（さいれん）だ！」

「確かにその魔法は厄介だな……それも近距離に持ち込まれると」

その声に気づいたのかフリュウは魔法を止めると瞬時に後ろに向く

「お、お前……いつからそこに」

びっくりした顔で聞いてくると俺は「こいつ気づいてなかったのか」っと呟き答えを教えることにした

「いやお前の攻撃が来る際、縮地を使って逃げただけさ」

「な、んだと……じゃあさっきまで俺が粉砕してたのは」

チラッとフリュウは横を見ると粉々になった大きな岩だった

大恥をかいたのか怒りで感情が抑えられなくなってしまった

「うがぁぁぁ！よくもよくも俺様にぃぃ！」

「まぁでも……五月蝿（うるさい）からさ一旦黙れ」

拳にありったけの力を入れフリュウの顔面に打ち込むと鈍い音を出す

(うげ……思いっきり殴ったら鈍い音出たし……やば)

自分の拳を見ると案の定フリュウの血が付いていた

これはやばいと思いゆっくりと相手を見ると顔面からは鼻血がだら〜っと垂れていた

「お前……殺す！」

俺は一旦距離を取るがそれを見逃さないのかすぐにフリュウは近づいてくる

「我、巨大せし如何なる力を倍増せよ『巨大化』」

次第にフリュウは大きくなっていき元の姿でも図体がデカかったのが更にデカくなっていった

(またでかくなっちゃって……)

とはいえ……巨大化したと同時に魔力や筋力など奴のステータスは倍増されているのだ……

「みよ！これが巨大化した俺様の筋肉だ！これをまともに喰らえばお前は死ぬ！」

拳を握り俺に向かってパンチをしてくるが【絶守】を発動させたと同時にフリュウの腕に乗り移る

「なっ！？降りやがれ！この野郎が！」

しかし俺には聞く耳を持たない……そのまま肩まで走っていく

ーーその時、もう一つの拳が目の前に現れた

「っ………！？」

危なかった……ギリギリでジャンプをして避けたがあと数秒遅かったら首が吹っ飛んでたな……

何事も無かったようにまた腕に飛び移り走っていく。

「おのれ！オスト・ベンフォント！！」

「五月蝿すぎて耳が壊れちまう……だから黙れ」

肩まで走っていくと俺はそのままフリュウの顔の真横までジャンプをした

(でも…今の腕力だと多分こいつにはダメージが通らない……仕方ないか)

〘身体能力強化(改)〙

身体中が軽くなっている……拳を握り先程と同じく力いっぱい拳に入れフリュウの頬に向かって打ち込んだ

「ぐはっ……！？」

フリュウは倒れると同時に血反吐を吐きそのまま倒れた

ロンはびっくりし固まったまま……これはもう勝負ありだったな

「くっ……！貴方達がこれで勝つと思わないでください！対抗試験で必ずや私たちが勝ちます！！」

「そうか……」

ロンは魔法を解きフリュウに肩を貸して急ぎ足で帰って行った。

(一体……なんだったんだ？)

「オー君大丈夫だった？」

「おう！」

改めてシルク達と訓練に励むようにしたのだった。