第63話 シルクとの2人だけの時間

俺はシルク達に連れていかれ着いた先は物凄い場所だった。


その場所はまるで人魚のような美しさを誇る程の絵を飾っている場所……前世の頃で例えるならば『美術館』なのだった。


「今日のデートスポットはここ!綺麗な絵を飾る場所で名前は美絵館!」


『美術館』と『美絵館』って、、殆ど一緒だな。


「それじゃあ行こうか!!」


「あ、あぁ」


シルクに言われるがまま腕を引っ張られる俺。そしてその後ろからは羨ましいと妬むエミリア達の姿が見受けられた。


美絵館に入ると人はそこそこ居ており中はすっからかんの状態ではなかった

それからというもののシルクと俺は一緒に歩きながら絵を1個1個見ていく


(にしても……絵は上手いけどあまり絵とか分からないしなぁ……あっでも前世の頃、高校生だった時の友達が美術館に絵を飾って見に行ったことがあったな)


その時のことはあまり覚えていない。つまりなんとも言えないのだ


「にしても、、絵は上手いな」


「でしょ〜?」


「シルクが誇ることじゃないぞ」


俺は手をポンっと頭に置きゆっくりと撫でる。すると「えへへ」っと言いながらニヤニヤするシルク


ーーその一方で俺は何故か後ろから殺気を感じたのだった。


「と、とりあえずここを出ようか」


そう言って美絵館を後にした俺達は次に行った場所は美絵館から少し離れた場所にある大きな湖に着く。


「オー君!あれ乗ろうよ!」


シルクが指さした先には大きな湖で乗り物に乗っている人の姿が見えた。


これって確か、、、ボートだったな


真横にある看板を見ると「お乗りになるお客様は2名だけということに制限を設けさせてもらいます」っと書いてあった。


辺りを見るとどおりでカップルだらけなのだ。あちらこちらでイチャイチャしている様子が伺える


「まぁ別にいっか、、」


ボートを貸出している所に行き管理人にお金を払うとボートを貸してくれる仕組みだ。


「銀貨2枚で200ベクトルね!」


意外と高いっと思いながらも銀貨を出すとシルクは既にボートを選んでいる状態だった


「速いな行動が」


ゆっくりと座席に座りボートの横に付いてあるボタンを押す


すると手漕きボートはゆっくりと動きだした


(なるほど、、魔力でボートを漕ぐ仕組みの魔道具か)


「ねぇねぇ!オー君見て見てあれ!」


シルクが慌てながら指を指すとそこには大漁に泳いでいる数センチサイズの魚が泳いでいる


「おぉ!凄いなこれは」


魚をよく見ようと手をボートに掛けようとするとそれで滑ったのか湖に落ちそうになった。


「……っぶねぇ〜〜!!」


慌てながらも横を見るとシルクが写真を記録する魔法【フォト】の魔法陣を展開しながらこちらを写していた。


「おい、シルクなんだその魔法陣は」


「え?え、、いやこれはその、そう!オー君のカッコいいところを撮ろうと思って?」


「何で疑問形になるんだよ……ったく」


それからボートを楽しんだ後はお腹が空き食事をとる事にした。


「さぁ〜ここが本日のお昼ご飯!インクルフェスト店だよ!」


「なんだ、、その名前はやけに長いな」


カランコロンっとドアを開けると店員がこちらに走ってくる


「いらっしゃいませー!本日はお二人で宜しいでしょうか?」


「あ、はい」


その圧倒的なコミュ力に俺は圧倒されながらも椅子に座りメニュー表を見るとそのメニューに俺は絶句をする


(ここのメニュー高すぎじゃね!?)


ここのメニュー。インクルカースというカレーに似た食べ物は1個800ベクトルで書かれていた


「な、なぁシルクここの店高くね?」


「え?普通だと思うけど」


「え?嘘だろ」


「嘘じゃないよ?まぁここもなんだけど他に行ってもこのインクルカースとかほかの食べ物も値段はこれぐらいだよ?」


えぇ嘘……っと顔をしながらメニュー表を見る俺。


まぁでもシルクが言うから嘘じゃないと思うがやはり高すぎるのだ!!


どんな材料を使ってんだろうか。


そして注文しようと手をあげようとしたその矢先俺の腕はテーブルの上で止まっていた


(何故だ、、なぜ動かない!?やはり金が惜しいのか!いいや大丈夫だ!金ならお小遣いで溜まっている)


動かない手を無理やり動かし手を思いっきり上げる


「はいはーいご注文をどうぞ」


店員が駆け寄ってくるとシルクがメニュー表を見ながら注文をする


「ええっとこのインクルベフトフラペとオー君はどうするの?」


「えっとこのインクルカースをお願いします」


「畏まりましたァァ!!」


そしてまたそそくさと厨房に帰ってしまった店員さん。


「にしてもそのインクルベフトフラコ?ノ?ってなんだ?」


「インクルベフトフラペね!これは甘い蜜が乗ったデザートの事だよ」


「甘い蜜ねぇ〜」



数分後ーー遂に俺達が頼んだ食べ物が運ばれてきた。


(見た目はまるで一件普通にカレーみたいな感じだけども味はどうなのか)


俺は思い切ってぱくりとインクルカースを口に入れた


するとーー


(なんだ!?この香ばしいほどの絶妙な塩加減は!?舌に乗せるとすぐに溶けて残るのは癖になる味と食感だけ、、これは美味すぎる!)


意外にもインクルカースという食べ物は俺はかなり気に入ったのだった。


今度歩美にも作ってあげよう。


「んん〜美味しいィィ!!」


前を見ると先程のインクルベフトフラペという食べ物をシルクは食べていた


「甘そうだな」


「甘くてすっごく美味しい!!」


ニッコリと笑うシルクとそれを一瞬にして写真を撮る魔法【フォト】で一瞬の隙も逃さず撮る俺


「あっ!!今撮ったでしょ!」


「ごめんごめん!!」


「もぉぉぉ!消してよぉぉ」


その【フォト】で撮った写真に写っているシルクのニッコリとした顔は今日のデートで1番の輝きをしていたと俺は思った


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る