第61話 バレない為の執事役?でもバレてる!?バレてない!?どっち?

今俺は現在進行形で思いっきり修羅場な状況になっています。


事の原因はーーいまから1時間前


「オー君!デート行こ〜!」


部屋のドアを思いっきり強く開くと外から入ってきたのはシルクだった


いまは夏休みとはいえーー力強すぎない?っとツッコむ俺。


「なんでまたいきなりてかどっから来た」


「まぁまぁそんなことは置いといて!ほら私達って婚約してるのにまだ1回もデートらしいことなんてしたことないじゃない?」


そうなのだ。婚約したのは言いものの悪魔だったり冒険者やスタンピードで中々そういう機会が伺えなかったのだ


「確かに、、いいかもな」


この夏休み期間は何かと忙しかったのだ。特に悪魔からエミリアを取り返したり前世で妹だった歩美と再会したりザァベストの固有魔法などこの夏休みはなにか色んなことに振り回されていた気がする。


それに、、もう夏休みはそろそろ終わりにも近づいてきてるしな。


「それじゃあデートにでも行きますか!」


「やった!!」


まず手始めに【転移】を使おうと人目につかない場所に行こうと寮の外をシルクと一緒に歩いていると目の前からエミリア達が怒った表情で歩いてきた


これはやばいっと思いシルクの後ろにサッと隠れる


「あれ、シルクさん?ここにオスト君いませんでした?」


エミリアはニコニコした顔でシルクに質問する……しかし俺は知っていた


その顔の裏にはおぞましい程の執念と怖さをシルクが持ち合わせていることに


「え?え〜オー君は居ないよ?」


「そっか……」


段々とシルクの笑顔が消えていく………


俺の身体は自然と震えていた


頼む、、バレないでくれ、、お願いします!お願いします!


俺は心の中で必死に頼み込む


ーーしかし神というのは皮肉なものでその願いの希望は消え去った


「それではシルクさん、、その後ろにいる人は誰でしょうか?」


(オワタ……)


「え、この人は、そう!私の執事だよ!」


シルクはありもしないことを口にする。そもそもここに執事なんて居ないだろ………


「へぇ〜では執事さん?姿を見せてもらってもよろしくて?」


「だ、駄目だよ……執事は人見知りで」


「それではシルク?その執事の名前は?」


リベストアが執事の名前を聞いてくる。しかしそんな人はいない!ここは俺が執事になりきるしかない!


ーー瞬時に鼻をつまみ声を出す


「私はシルクお嬢の執事……フラット・リクベアーでございます!」


「あら……そうなの」


リベストアは納得したかのような口ぶりをするがエミリアは未だに疑ったままのご様子だった


俺はシルクにこっそりと小声で話す


「シルク、、これどうするんだ?」


「知らないよ……もう諦めたらどう?」


「そんな事をしたら俺がどうなることやら」


俺たちが話しているとすかさずエミリアはその会話に割り込んでくる


「あれ?なにやらシルクさんと執事さんで話してるご様子ですがなんのお話でしょうか?」


「え?い、いやぁなんでもないよォ〜」


微笑になりながらも誤魔化すシルク……


しかしこれを俗に言う時は既に遅いだろうか。エミリアは「甘いですね」っとボソッと呟きながらシルクに近づく


「え?」


その瞬間、シルクで隠れていた俺は肩を掴まれ無理矢理立たされた。


「エ、エミリアさん……こんにちわ、、」


バレた俺は苦笑いしながら終わったという顔をしたのだった。



これがーー1時間前に起きた出来事、、なのだった。


そして目の前に起こっている状況が『デートの順番を何で決めるか』と『駆け抜けは禁止』などとルールを決められ尚俺の意見など通らず女子4人で決められている状況化しているのだった。

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