第59話 冒険者としての務め

魔物を倒した俺はギルドに報告する為、【異空間収納】に倒した魔物を入れ森の出口まで一直線に走っていく。


去り際も周りに魔物が居ないかと確認しながら帰るが特に以上はなさそうだった。


「スタンピードは終わったみたいだな」


それから俺はギルドに着くとまたもや別室に連れていかれギルドマスターに報告をした


「オベスト、スタンピードは終わったのか?」


「あぁ、なんとかな」


「良かったぁ〜!」


「それでなんだが取り敢えず素材を出せる広場とかないか?」


ギルドマスターに頼み込み広場に案内してもらうと【異空間収納】から魔物の死骸がボックスから取り出す


「ん?どうやら斬りすぎなようだが」


「実は………」


さっきまであったことをありのままに話すとギルドマスターは「なるほど」っと頷く


「分かった!素材に関してはどこかしらは使えるだろう」


「助かるよ」


「それと冒険者カードを貸してくれないか?」


冒険者カードを渡すとギルドマスターはカードの上に手のひらをかざすとオベストつまり俺の情報が乗ったステータスが表示された


「なんだそれは」


「これは冒険ステータスと言って冒険者が依頼したクエストをこなすとこのステータスのレベルが上がるという訳だ」


どうやら冒険ステータスというのは依頼をこなすとランク帯のポイントが上がるものらしい


「本当は専用の機会に通さないとなんだが行くのも面倒だろう?」


「あぁ」


そんな無駄話をしているとステータスは変化していった


Aランクに上がるためにはポイントが1000ポイントもいるらしいのだが今現在の俺のポイントは約814ポイントなのだ


つまり最低でもあと必要なポイントは約186ポイントという事になる


「よし出来たぞ!いまのポイント数が約902ポイントだ」


「あと98ポイントも必要なのか………」


「今回は急な依頼ということで88ポイント分を追加しておいたぞ」


やけに追加ポイント低いな……っと思いながらも理由があると思い黙っておくことにしておいた


とはいえまだまだランクのレベルアップまでが程遠いのだ。頑張るしかない


「にしても、よくこんなものに勝てたな」


「前の俺だったら勝てなかったよ……これも悪魔のお陰かな?」


「悪魔?」


「いやこっちの話だ、気にしないでくれ」


そう。昔まえの俺だったらあのデカい魔物相手だと良くてギリギリの戦いだっただろうけど、今の俺は違う。


確かにこの魔物を倒せるぐらいは強くなった!しかしまだ力が足りないのだこれからはもっともっと沢山の奴らと戦っていかなければ行けない


その為にも、ギルドのクエストはできる限り受注して行かないとな


その時だったーークエストを受注する場所……受付場から大きな音が聞こえるそれも殴り合いのような音だった


広場にいた俺たちでも聞こえるぐらい喧嘩の声とそれに便乗する冒険者達の声が聞こえてくる


それが聞こえた瞬間ギルドマスターと俺は急いで受付場まで戻る


すると時は遅かった、冒険者同士の殴り合いが発展している様子だった


「おい!やめろお前たち!ここは冒険者ギルドだぞ」


ギルドマスターが止めに入るが冒険者達はそれに聞く耳すら持たない


「チッ……こいつらいつでもどこでも」


こんな事がよくあるのか?っと頭を悩ましながらため息を付く


「なぁカーシス、ここは俺が止めに入ろうか?」


「………」


ギルドマスターは黙り込み俺の提案を考えているようだった


「分かった!ここはオベストに頼もう!しかしあいつらを殺すなよ?」


拳をポキポキと鳴らしながら冒険者達に近づく


「分かってるって!でも少しの殴りは見逃してくれよ?」


ギルドマスターは苦笑いをしやれやれっとため息を付く


俺は1歩1歩と歩いていき冒険者の真正面まで近づいた


「あぁ?お前はなんだよ!」


「おい!ガキ!ここは遊びじゃねーぞ!ぶっ殺されてーのか?」


中年男性の2人組は喧嘩腰になりながら俺に喧嘩を吹っ掛けてくる。しかも息遣いといい口の匂いからは酒の匂いがする


こいつら酒を飲んで酔っ払ってんのかよっと相手を睨めつける


「なんだ?その反抗的な目はよ!」


1人の男が拳を振りかざすがそれを避けるかのように腕を払うとそれが怒りに刺激されたのか遂には剣までを取り出す


「死ね!」


死ねと言う言葉と同時に奴の剣は俺の頭に直接振りかざし斬ろうとする。


しかしそう簡単には行かない


「は!?」


冒険者は俺に剣を止められた事に驚いた。それは仕方が無いことーー彼の剣は俺の小指で完全に動かないように止められているのだから


「もう終わりなのか?」


挑発をすると顔が徐々に俺の事を睨めつけていっている顔になった


すると剣を捨て気が触れたのか拳を俺に向けてきた


「はぁ何回言っても屑は屑なんだな」


溜息を付きながらこいつの懐に入り込む


〘可憐に落とし全てを回転せしーー守式 落天〙


守式を発動させ腕を掴み地面に叩きつけると口からは泡を吹き気絶したのだった。


やりすぎた……


「んで?お前もやるか?」


そう言って喧嘩していたもう1人の男を俺は睨めつける


「い、いやす、する訳ないじゃねーかよ」


「そうか……ならいいんだけど二度とここで喧嘩なんか起こすなよ?」


〘殺気〙


自然と俺の魔法は【殺気】を発動させており目の前にいた男性は奇声を上げながら冒険者ギルドを慌てて飛び出して行った


「ありがとうなオベスト」


「いいってことよ!カーシス」


その後、俺は冒険者ギルドを後にし寮に帰った

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