第23話 編入したけど魔法レベルが低い件について

突然のブレアが現れたことにより俺の周りは俗に言う修羅場状態になっていた。

しかし俺は…決して屈しないと決めたのだが………


「ちょっとオスト君!?」


「オベスト!」


「オスト?」


「オー君!」


ちょっと静かにしてて貰えませんかね?


とまぁ〜なんやかんやで女子たちは何故か対決をすることになり俺達は学園の訓練所に無断で忍び込んでいる。


「それじゃあこの中で誰かが勝てたらオスト君を1日だけ自由券を貰えるってことで……いいよね?」


「わたくしはそれで構いませんわよ!オストの為なら」


「私もそれで良いです!オー君の為…オー君の為」


「はぁ〜まったくしょうがないわね………オベストしっかり見ときなさいよ……!」


無断で構内に侵入してるんだから……早く終わってくんないかな……この対決ってか俺の1日自由券ってなんですか!?俺一切聞いてないんだけど……。


彼女達は並列に並びそれぞれ魔法を出した。


(でも…こんな夜だし…ここで魔法使ったことがバレたらヤバそうだ……仕方ない)


俺はこっそり〘絶対障壁〙を学園を囲うような感じで覆い周りに音や被害を出さないように作った。


皆それぞれ一斉に違う魔法を人形に当てた。


「来たれよ風吹くわ旋風ことごとく切り裂け!〘風裂ふうき〙」


「熱より熱くその者を焼き払え!〘豪炎ごうえん〙」


「巡る水…切られるは水圧…来れし!〘水弾ウォータバレット〙」


「地面を巡れ巡れ我に地の大地で落とせ!〘土刀アースカッター〙」


エミリア→ブレア→リベストア→シルクの順番で打っているのだが…それを見た俺はなんだこれ?みたいな顔をしながら見ていた。


(魔法って詠唱いらないんじゃないのか……無詠唱ってこの世界では伝わってないのか………?)


「なぁエミリア……」


「はい?なんでしょうか…」


「魔法って詠唱じゃないと駄目なのか?」


「うーんそうですね…基本的には詠唱があると魔法の強度も速さも上がりますから……」


「なるほどね……」


「オスト君は詠唱って唱えないんですか?」


「そだよ」


(強度も速さも詠唱をすると上がるか……なら俺は詠唱なしであんだけ威力があるのは普通なのか………?。)


するとシルクがこっちに近寄ってきた。


「それじゃあ手本にオー君が魔法撃ってみてくれない?私達まだ見たことないから」


「まぁ〜いいけど………」


俺は魔法を打とうとしたがさっきのエミリア達の魔法で訓練場の人形が無いため元に戻すことにした。


修理リペア


無くなっていた人形達は元に戻り土も元の場所に戻った。


(よし……これでおっけいかな?)


「よし……それじゃあ撃つよって……皆どうしたの?」


「え?オスト君……無詠唱で…私たちが壊した人形や地面を直して……」


「え?普通じゃないの?」


「「普通じゃない!!」」


っとまた息がピッタリあった。


お前ら実は仲良いパターンだろ………


しかしそれでは驚かれては困る……俺は無詠唱の力を見せる為……少し力を出すことにした。


(この10年間で生み出した……俺だけのオリジナルの魔法………)


俺は手を大の字にしながら頭の中でイメージを作り出した。


(第1式〘炎灯華ごうえんとうか〙と第3式〘雷翔星らいとせい〙を合成させた技)


〘第0式 炎雷紅薙えんとうくない


全てを焼き払い全てのイナズマを落とし全てを薙ぎ払う俺が生み出した魔法だ。

その次の瞬間…俺が放った魔法は人形や地面を全てえぐり抜いた。


「な、なんですか!?これは!?オスト君!」


「え?これが俺の魔法だよ?………」


「こんな魔法見たことがありませんよね!?」


「わたくしも見たことがありませんわね……こんな強大な魔法」


(やべぇ〜少し力を見せてしまった………取り敢えず笑っとくか……)


「まぁとりあえずさ!今日はこれぐらいにしない?もうすっかり夜だし」


「そうだね!早く帰らないと寮母さんに怒られちゃう……」


みんなを送り届けたあと俺はもう一度学園に戻りさっき俺が放った魔法のあと片付けをした。


(にしても……無詠唱があんな伝わり方してるのか………そこまで威力は強くないし………。)


俺は〘修理〙を終わると学園を囲っていた魔法を取り消し〘転移〙で部屋の前まで戻ってきた。


(ただいまぁーっと)


静かに扉を開けるとそこにはザァベストが居た。


「なんだザァベスト……腹筋してるのか?」


「おぉう!オスト!そうだ!お前もやらないか?」


「いや今日は疲れたから寝るよおやすみ」


「そうか!おやすみ!」


俺は寝ようとしたが1つ気になることがあった。


「なぁザァベスト」


「うん?」


「お前今日の朝教室に居なかったよな?」


「あぁ俺は今日はサボった!!」


「まじかよ………」


呆れながらも俺は自分のベットに横たわり眠った………。

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