追放された殴り特化の司教と盗賊娘がLV1からコツコツ迷宮探索します
くま猫
第1話『ゲーム風世界に転生』
高校を出て地元の零細企業に就職。
就職先は2年で倒産。
そもそも就職先が絶無の日本海側の地方都市。
俺は上京し、ブラック企業で派遣社員として働いてきた。
まだまだ20代。2徹、3徹なんて余裕。
そう思って、エナドリガブ飲みで頑張っていた。
そしてその日は突然やってくる。
「目がかすむな」
3日徹夜が続いた日めのことだった。
目のまえの景色がやけにぼやけた。
そして気づいたら椅子から倒れていた。
耳元で同僚の声が聞こえる。
なにか叫んでいる声が聞こえる。
(オイオイオイ。死ぬわオレ)
会社の床の冷たさを頬に感じる。
……そして俺は永遠の眠りに。
…………。
「迷い子よ。貴殿は今年、18歳。職業を決める時です」
「……へっ?」
いや、俺は死んだはずだ。
わけがわからない。
だが、俺は目を覚ました。
そして、目の前には神父風の男が居る。
ここはどうやらどこかの神殿の中。
何が起こっている。落ちつけ。
まずは状況把握だ。
「迷い子よ。どうやら、君は神からの恩寵を授かっているようだ。喜びたまえ、君は最初から【上級職】を選択可能だ」
なるほど。だんだんと意識がはっきりしてきた。俺は死んで異世界転生したのだろう。ラッキーだ。完全に。
そして、ここはゲーム風の異世界。いまは初期ステ振りということだろう。
女神が現れないのは残念ではあるが。神もそんなにヒマじゃないということだろう。ぜいたくを言える身分ではない。
「すみません、どんな職業があるか見せてもらえますか?」
「うむ。貴殿が選択可能な職をお見せしよう」
【基本職】
・戦士
・魔法使い
・僧侶
・盗賊
【上級職】
・司教
・ロード
・聖騎士
・サムライ
・ニンジャ
・錬金術師
「基本職から上級職への転職も不可能ではない。だが、転職時に魔法やスキル使用回数の上限が半分になる。基本的には上級職から選ぶ方がよいじゃろう」
なるほど。使用回数が半分になるのは痛すぎるな。基本的には転職は考えるなということか。
それにしても魔法やスキルに使用回数の制限があるのか。MP制ではないと考えた方が良さそうだな。
アークソウルと似たゲーム風異世界ということか。そう言えば、なんとなく職業選択の項目も死にゲーで有名なプロムの、アクソやプラボとかと似ている気がする。
ならば、職業は【司教】で確定だ。
日本人として、サムライ、ニンジャにそそられるものがある。だが、ここはゲームで慣れたキャラを選択するのが正解だろう。
「上級職の司教に決まりだ」
「司教? もう一度、確認する……迷い子よ、司教でよいのか?」
「ああ。司教で頼む」
なにを不思議そうにしているのだろう? 上級職の司教なんて最も安定した職じゃないか。
耐久値の高いメイスで殴りつつ回復もできるアンバサ戦士のビルドは素晴らしい。ソロプレイでも対人でも強い鉄板構成だ。
「う、……うむ。た、たしかに、司教しか使うことができない……鑑定は魅力的な能力ではあるが、本当に良いのか?」
「大丈夫だ。俺にはプランがある」
たしかに信仰戦士は通好みのビルドだ。この世界では、まだ珍しいのかもしれないな。ならば、俺がその強さを広めてやろうじゃないか。
「それでは、貴殿にポイントを付与しよう。……なっ、なんと!」
「どうされましたか?」
「貴殿の初期ボーナスポイントが上限の【62】!!!??? ありえない数字じゃ!!……それこそ、64000万分の1の確率じゃ!!」
俺は意味ありげにほほえんだ。
特に意味は無いけどな!
まだ慌てる時間じゃない。
女神特典とかいう奴だろう
思わず顔がニヤけてしまうが。
耐えろ。クールにいこう。
「すまない。説明の続きを頼めるか?」
「うむ……。まずは、貴殿の初期ステータスをお見せしよう」
名前:ああああ
種族:人間
職業:司教
筋力:8
体力:8
知恵:12
信仰:12
速さ:8
幸運:9
特殊:鑑定
ふむ。職業と種族で初期ステータスが固定されるタイプか。種族が人間というのは良いな。だって俺、生前も人間だったし。リザードマンとか辛すぎるからな。
それにしても『ああああ』はダメだろ。俺の名前は『
付与された【62】のスキルポイントの配分はアンバサ戦士を参考にしよう。殴り司教と言われるステ振りだ。ソロとか対人だとめっぽう強いビルド。
名前:アッシュ
種族:人間
職業:司教
LV:1
筋力:20↑ (+12)
体力:35↑ (+27)
知恵:12
信仰:35↑ (+23)
速さ:8
幸運:9
特殊:鑑定
信仰戦士に幸運、知恵、敏捷は不要。筋力も、メイス程度の重量の武器であればこのていどあれば十分すぎるはずだ。
「ステ振りはこれで良い」
「ほ、本当によろしいのでしょうか?」
「うむ」
「アッシュ殿。初期ステータスを確定させますが、よろしいでしょうか」
「ああ。頼む」
初回の贈り物がなかったのは少し気になたが、まあゲーム風というだけで、あくまで異世界だし、俺が知らないことも多いに違いない
くっくっく……。やったぜ!
これでついに俺TUEEE開始だ!
やったぜ異世界! サンキュー転生!
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