異世界転生役所
@kinako117kinako
第1話
「わしの世界にな、地球から1人転生して欲しいんじゃ。」
小さな机に2人がが向かいあって座っていた、1人は白く立派な髭を伸ばしている
ギリシ神話のような姿をしている、そしてもう1人は髪の毛を七三分けでありアイロンのかかったスーツ、黒の眼鏡を掛けていてこの2人が同じ場所にいるのが違和感がある。
「なるほど、転生ですか、しかしこのままではこの転生は認められません。」
「えっなで?」
この神はいったいなぜこれでいけると思ってんだよ。
この爺がもってきた資料にはイケメン、ノリが超よく、勉強も運動もすごくできる男。
いるかそんな奴ふざけんな!こっちの身にもなってくれよ。
「こちらの条件に合う人間はなかなか見つからないと思います。」
「はぁそれを探すのがお前らの仕事だろが、こっちは神だぞ。」
この爺ぶん殴りてえ。
「申し訳ございません、お調べさせていただきます。」
言葉では謝っているが心の中では阿修羅である。
「わかればいいんだよ。」
自分の机に戻って大きなためが出た。
「はぁ~、めんどくせ~」
「大丈夫ですか神谷先輩?」
後輩のウリス・ポセイドン、彼女は気が利いて部署内でも人気のある子だ。
「ああ大丈夫だよ何とかね。」
「そうですか、ならいいんですけど余り無理しないでくださいね。」
ウリス君は俺の机にコーヒーを置いて長い髪の毛をなびかせて歩いて行った。
(いい子だな)
俺はコーヒーを飲みながら条件に合う人間を探し始めた、しかしそんな人間いるはずもなく。
俺はため息を抑えながらあの神のもとに行った。
「申し訳ございません、条件に合う人間は見つかりませんでした。」
「ふざけるな。」
このクソ神は顔を真っ赤にして怒鳴り声を出した、周りからじろじろ見られていやになる死んでくれないかなこのクソハゲ。
「ワシを誰だと思っているんだこの地上がりが。」
「申し訳ございません。」
「謝らんでいいから早く地球からワシの条件に合った人間をつれてこい。」
怒鳴り声が響きまくり皆迷惑そうな顔をしている、いねぇて言ってんだろうがよ。
「申し訳ございません、先ほど言った通りご条件に合った人間は見つかりません。」
「いないのならほかの世界からでも連れてこい役立たずが。」
無茶言うなよ、次第にイライラが爆発しそうだ。
「まったく地上がりはワシらにたいしての敬いがたりん。」
「そうね外の人にはあなたは敬いがないのね。」
クソ神の後ろにヒョウ柄の服を着た大阪のおばさん風の女の人が仁王立ちしていた。
「か、母ちゃん。」
クソ神はガタガタ震え始めた。
「あんたが最近こそこそしているからちょっと後をつけてみていたのよ、家ではずいぶんと小さくなっているくせにずいぶんと横柄な態度をとっているみたいだね。」
「ち、違うんだよ母ちゃん。」
あのクソ神は何か言い訳を考えているが焦りすぎて何も出てこないようだ。
「さっ、帰るよこんなに皆様に迷惑もかけて。」
「で、でも・・」
「でも、何。」
奥さんのどすのきいた声にあのクソ神はなにも言えないようだった。
「ごめんなさい帰ります。」
家では肩身狭いんだろうな少し同情するよ、でもざまーみろ。
「ごめんなさいね家の夫がすぐ連れて帰りますから。」
「あっ、はいわかりました。」
「ほらあんた早く帰るよ。」
「はい」
あのクソ神は最初に俺と話していた時よりずっとテンションがダダ下がりしていた、そして奥さんに連れられて帰っていった。
「あー二度と来ないでくれないかな。」
嵐の後はなんだかとても静かだな。
まっ、役所は静かなもんなんだけどな。
異世界転生役所 @kinako117kinako
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