第26話 私の職業病再び。

近況ノートに書いていたのですが、長くなり過ぎたので、こちらに移しました。

♢♢


 うん。これは間違いない。


 背中の痛さはもう、いつもの事だが、右腕が何を持っても重たい。そして冷たい。

そして、肘が水平まで上がらず、無理に上げると、右上腕と肩に激痛が走る。

これは医者に診てもらわなくてもわかる。

「頚腕症候群(けいわんしょうこうぐん)」だ。

 今だと頸肩腕障害(けいけんわんしょうがい)と産業医がいうやつである。


 ネットで調べて貰えばすぐ分かるだろうと思う。

私の場合は、以前ずっとプログラマをしていた。

若いころに、これが出てしまい、その当時は、そんな産業医なんていないし、そもそも、これは腱鞘炎じゃないのか?とか、適当なことを言われていた。

それで総合病院ではたらいまわしにされ、とある病院で紹介状が書かれ、私は整形外科専門の小さな病院に行き、初めてその名称を知った。


 その医師は、整形の世界では名前が知られていた人だったらしい。

すぐレントゲンを撮って、それから私の上半身を触診して、すぐにこう言った。

「これは頚腕症候群だな。あんたの肩は女性のようにかなりのなで肩だしな」

それで、会社に提出しないといけないというと、診断書も書いてくれた。

その当時二万円で、安月給の私にとって、それはかなり財布が痛かったのは覚えている。領収書はあったが、会社は負担してくれなかったのだ。


 それから、リハビリが始まったのだった。

温湿布。かなり熱い濡れタオルが、肩から背中に掛けられて、5分。

布を取り換えてさらに5分。ずっとベットにうつぶせのままだ。

そして、理学療法士のおじいさんがやってきて、私の背中のマッサージをしていった。それがたしか、15分。1回休みが入って、さらに15分だ。


 最初の三日は会社を休んだ。キーボードを触るなというので、休むしかなかった。

それから、週に三日、病院に行って、マッサージを受けるのが2週間ほど続いた。

午後は会社に行って仕事はやったが、キーボード操作より、書類の方をやっていた。


 会社の上役は、だいぶ苦い顔をしていた。

まだ知られていなかった、その症状のせいで、私が適当な診断書を出してもらって、怠けているように思ったらしい。


 医者には、キーボードを打つ、その姿勢がずっと同じなのがいけないと、だいぶ言われた。

人によっては、治りにくい職業病である。

私の場合は、治ったように見えて数年するとまた出るといった感じで、完治はしない。

一生付き合っていくタイプの症状だが、これは病気ではないので、説明も難しい。


 と言う事で、暫くはキーボード叩くのは相当控えめにして、マッサージ。

あとはお風呂での温浴効果を期待して、ややぬるめの風呂の中で軽くマッサージとかです。

あとは、昼間に積極的に散歩をしておくのがいいらしい。

整形外科に行って、専門家のマッサージを受けるのと比べてだいぶ落ちるだろうけど、こういうのは、薬が必要という状態にはなっていないと思うので、家庭で気長にやるしかない。


 左手だけで打つのは、時間かかりすぎて、つい、右手も出てしまいそうになり、そのほうがストレスだった(苦笑

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