第36話 レベル7
葵がご飯を作ってくれている間にも寸暇を惜しんで勉強に励んだ。昨日は理解できていなかった問題が今日は解く事が出来ている。
確実にレベルアップしているのを感じるが相変わらず超特訓中の葵の事は鬼軍曹に見えてしまうが結局朝の三時半まで勉強してから睡眠を取ることにした。
「おやすみなさい」
「ああ、おやすみ、また朝に」
二時間ほどが過ぎて朝六時になるとインターホンが鳴り、葵が来てくれた。
ただ葵は俺と同じ時刻まで起きていてくれて、しかも六時には支度済みの状態で来てくれた。もしかしてほとんど寝てないんじゃないだろうか?
俺に付き合ってくれたが葵は大丈夫だろうか?
葵は昨日と同じく朝食を用意してくれて、そのまま学校へと一緒に行くことになったが、いつもの様に天使の様な笑顔を向けてくれている。
学校では、テストなので午前中授業だったが、今日のテストは多分出来たと思う。少なくとも前回以上の手応えがあったと思う。
今日は、部屋に戻ってから三時間程は自分で頑張る事にして葵には昼寝をしてもらうことにした。
最初は難色を示していたが、お願いしたら渋々OKしてくれた。
葵には体調を整えてもらわないと困るので、夕方迄しっかり眠ってもらった。
「凜くん遅くなってごめんなさい」
「全然気にする事無いよ。少しは休めた?」
「はい、もう元気になりました。今からはまたお勉強を一緒に頑張らせてもらいますね」
「うん、よろしくお願いします」
そんな感じでテスト期間が過ぎていったが、自分的には過去最高の一夜漬けができたと思う。
そしてテストが返って来たが、葵は学年四位。
俺にばかり時間を使っていた様に思うが、流石は葵だ。
そして俺はと言うと学年五四位だった。
前回が六八位だったので今回は直前しか勉強しなかったのに順位が上がっていた。
これは全て葵の超特訓おかげだ。
これには感謝しかないが、この勉強法を続けると多分いつか死んでしまうので、次からは日々少しずつ勉強しておこうと思う。
テスト期間中も葵は毎日俺の教室までお迎えに来てくれていたので、流石に俺と葵が何か関係があると言うのはクラス中に知れ渡る事になったが、やはり俺には誰も聞いてこなかった。
逆に葵には何人かが聞きに行った様だが、聞かれる度に葵は笑顔で「パートナーですよ」と答えたそうだ。
パートナーで間違いはないのだがパートナーにはいろんな意味があるので、様々な憶測を呼んでいる様だが、直接俺には誰も聞いてこないので俺からは何も言う事は無い。
テストが終わると同時にサバイバーの活動も再開したが再開してすぐに俺はレベル7になった。
「葵、俺がしとめるから! 『ライトニング』 『エクスプロージョン』 『アイスジャベリン』」
スキルを連発してオークを倒した時に
「おおっ! レベルが上がった」
「おめでとうございます。これでレベル7ですか?」
「うん、そうなるな」
サバイバーLV7
スキル 『フェイカー』《エクスプロージョン4》《ファイアボール7》《ライトニング2》《アイスジャベリン5》《 ー 》
「どうですか?何か変化がありましたか?」
「ああ、使えるスキルの欄が一つ増えたよ」
「すごいです。五つ目ですよね。クインタプルスキルホルダーですよ。そんなの周りで聞いたことないです。クワドラプルでも聞いた事なかったのに」
「それはオリジナルスキルホルダーだったら凄いけど、俺のはあくまでも偽物だからね」
「それは違います。凜くんのは『フェイカー』と言うオリジナルスキルが生んだ派生スキルの様な物です。偽物なんかじゃありません。立派な凜くんのオリジナルです」
「……ありがとう」
ああ……葵は優しいな。
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