この世界における通貨の名称である。

始まりは各国の王が互いの取引の為に作ったルール用の品物だった。

その際、仲裁に入ったのはパレル王である。

パレル王は戦を好まない為、互いにルールを設けた。

パレル王は自身の持つ錬成術で硬貨を生み出し、それを各国の王に分け与えた。

「取引の際は、この硬貨を使おう。得た分だけ、この硬貨を与える。そして得た硬貨を使い、さらに取引を行って国を豊かにする。硬貨を得たければ自分の力を使って努力し、取引の機会を作る必要がある。奪い合うことも無く、互いに切磋琢磨し、そなた等の国を豊かにしていこうではないか」

ここから“通貨”というルールが国全体に広まっていった。

戦を行わず、自身の努力と富を使って国を豊かにするというパレル王の考えである。

しかし、この通貨が欲と怠惰を生み出し、戦の原因の一つになってしまう事。

それをパレル王は知る由も無かった。

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