6話目

 バラ騎士団からけっこうな金をいただいた。一回回復させただけなんだけどいいんかいな。しかも俺はなんにもやってないし。


 まあいいや。ギャンブルにでも勤しむかな。


「ダメに決まってるじゃないですか」


「ああーっ! 俺の軍資金!」


 出かける前にネルに金を取り上げられてしまった。ひどい。


「またお金がなくて食べるのも苦労するのは嫌ですからね。これは私が管理します」


「そんな殺生な!」


 なんて後輩だ。先輩になんてことしやがる。


「食うもんに困ったらまた俺が狩りしてやるからさー。頼むよ」


「サバイバル生活でもする気ですか」


「もとをたどれば人間はサバイバルが基本だったんだよ。だから別におかしくない。だから俺に金を与えることだっておかしくない!」


「意味不明理論です。先輩にお金は渡しませんよ」


「お前は俺の嫁かよ。妻に財布を握られる夫の気分ってこんなんなのか。せつない」


 ネルの顔が急に真っ赤になった。おもしろいくらいの変化だった。


「なななななななななななななにをういってらしゃるのですかーーっ!?」


「動揺しすぎかよ」


 後輩の壊れた感じが笑える。全力で笑ったら逆襲されそうだから控えるけど。


 とはいえ、ギャンブル行けないってなったらどうしようか。


 金もおあずけになっちゃったし。そのへんぶらぶらしてこようか。


 俺は頭から湯気を出している壊れた後輩をそのままにして出かけた。



「おー、先輩くんじゃないかー。おーっす」


「その呼び方は勘弁なんだけど。こんちはノエリアさん」


 町をぶらついているとノエリアさんに会った。


 ノエリアさんは冒険者仲間の女戦士である。腹筋の割れたアマゾネスって感じの人だ。


 だが、彼女を説明する上で大事なのはそこではない。


 肌を必要以上に露出したビキニアーマー姿。そして、露になったその胸部はとてつもない戦闘力を所持していた。


 ぶっちゃければ巨乳なのだ。いや、爆乳なのだ!


 ビキニアーマーでその谷間がしっかり拝めるのはありがたいのだが、一応鎧というのもあってきっちりしている。なにが言いたいかって? 乳揺れしないんだよぉぉぉぉーーっ!!(血涙)


「なにしてんだい? また金に困ってる?」


「いや、金は入ったんだけどさ。ギャンブル行くといけないからってネルに取られちゃった」


「あっはっはっ! 尻に敷かれてんだねー」


「笑いごっちゃない。おかげで暇でしょうがないんだ」


 腹を抱えるほど笑わんでもいいでしょうに。そんなにおもしろいとこあったか?


「いやー、だったらあたしに付き合わないかい? 暇してんだろ」


 ノエリアさんからのお誘い。


 いいことしようってんならそのお誘いに乗るのもやぶさかではない。むしろお願いしたい!


 だけど、そうおいしい話はないよなー。


「付き合えってなにに?」


 無難にまずは話を聞くことにする。


 ノエリアさんはにやりと笑った。


「ドラゴン退治さね」


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