第21話第4の死体

の日僕はどうやってノートを受け取ろうか迷っていた。



美咲ちゃんは沙夜と同じクラスだし、帰りは沙夜と買い物に行くし…



僕は美咲ちゃんに高等部の僕の下駄箱にノートを入れられるかメールをしてみた。



あ、中等部の生徒は携帯禁止か?



今日はノートを手に入れるのは難しそうだ。



「きゃあああああ」


外から誰かの悲鳴が聞こえた。みんなが窓から悲鳴の方へ飛び出す。



僕も遅れる形にはなったが、なんとか覗き込んだ。



女子生徒の首なし死体がそこにはあった。



教室内も悲鳴や嗚咽が響き渡る。



あの死体は誰だ?もしかして美咲ちゃんか



僕は慌てて現場に走る。



すでに先生達が生徒を近づかせないようにしていた。



「祐希奈、なんで、なんで祐希奈が」



どうやらあの死体は中等部の祐希奈と言う名前らしい。



また首のない死体。そしてこの子はなんで殺されたんだ。



今日は学校は臨時休校となりすぐに生徒たちは帰宅を命じられた。


僕は下駄箱をあける。


ノートだ。あの騒ぎの中で美咲ちゃんが入れてくれたのか。


僕は先程の事件のことを忘れて思わず喜ぶ。



校門のところで沙夜が待っていた。



「なんだか嬉しそうね」



「え、そ、そうか?」



「昼間の死体…見た?」



「うん、あの制服は中等部の子だろ?周りにいた生徒が祐希奈とか泣いてたけど」



「そう、川合祐希奈、その子昨日お兄ちゃんにいきなり声をかけられたって朝言ってたよ」



えっ、僕は血の気が引いた気がした。



声をかけた…美咲ちゃんの居場所を尋ねたあの子が死んだのか。



僕が巻き込んだっていうのか?



「ほんとなの?お兄ちゃん」



「いや、人違いだよ、僕が中等部に行くとしたら沙夜に用があるときくらいじゃないの」


自分でも何をいっているのかわからなくなった。



「ふーん」



微妙な間が続く。


もしかして沙夜は僕が犯人だと疑っているのか?



「さて、今日こそ、食料品買いに行こう、寄り道はダメだからね」


沙夜はにこりと笑った。



その笑顔が不気味に思えてしまった。




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