引っ越した町は悪に満ちている

まなた

第1話 引っ越し初日

僕の名前は、南川 瑛人 高校2年生だ。


「瑛人、荷物はこれで全部か?」


「うん、もうないよ、父さん」


「じゃあ、そろそろいきましょうあなた」


「そうだな、よし、瑛人、沙夜、車に乗りなさい」


僕と中学2年の妹沙夜は車に乗り込んだ。


車は走りだした。


「悪いな、みんな。父さんの仕事の都合で転校になってしまって」


父さんは大手の会社のサラリーマンだったが、なぜかいきなり田舎町の営業所へ転勤させられた。左遷ってやつなのかな。父さんは仕事ができなかったのか、社長さんに何かしたのか?その辺の仕組みは僕にはわからないけど…


「別に私はどうでもいい」


沙夜はスマホをいじりながらぶっきらぼうに答える。


「僕も気にしてないけど、ここからどのくらいかかるの?」


「うーん、ざっと5時間くらいかな…まぁ休み休み行こう」


「ねえ、あなた、今度の町はあまりいい噂を聞かないって言ってたわよ」


「うーん、あまり大きくない町だから色々とむずかしいんじゃないのかな」


「私は別にそんなのどうでもいい」


沙夜はぶっきらぼうではあるが会話に参加していた。


僕はイヤホンを耳に当てて音楽を聞き始めた。



どんな町なんだろう?コンビニはあるのかな?


本屋はあるのかな?都会と同じようには行かなくても少なくともそれくらいはあってほしいと願望を抱きながら僕は眠りについた。


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