第13話
彼氏様に再開すると車で迎えに来られました。
LINEのアイコンの車が昔と変わってはいたのですが、そこそこの高級車でして。
え?この若さで車、二台目?
「Tさんて、実家暮らしでしたっけ?」
やはり、“Tくん”と、昔の様には呼べませんでした。
そして、敬語でしか話せなくなっていました。汗
「いや、賃貸だけどひとり暮らしだよ。」
「……?!車、二台目?」
「まあ。」
「え?ローンとかは?」
「ローンとか俺嫌いなんだよね。ちまちま払ってないでドーンって一括で払って、金があるならケチケチしてないで経済回してけよって感じじゃない?」
あ、でも私もローン嫌いで同じ金銭感覚だ。
……ちょっと規模違うけれども。
「それ!わかります!私もローン嫌いです!でもお金と時間の使い方わからなくて、すっごいお金貯めても一日で三十万円ポーンと使っちゃたりして。でも何に使ったか覚えてないんですよね。」
「え?それ大丈夫なの?」
そんな会話をしているうちにカラオケに付き、フリータイムで入りました。
心のソーシャルディスタンスが席の座り方に見事に出ていました。
「離れすぎじゃない?むしろ、なんか俺が圧迫面接してるみたいじゃない?」
「そ……ソーシャルディスタンスです。」
久々の彼の歌声は当時よりも、お上手になられておられました。
そういえばアカペラサークルでライブやってたり、付き合ってた頃からヒューマンビートボックスが好きでいつも練習してたり、DJの機材買って文化祭でライブもしてたなぁ。
懐かし……いや、むしろスキルアップしすぎてない?
「まだアカペラサークルとかライブやってるんですか?」
「このご時世だから活動自粛だし、ライブも出来ないんじゃないかな?」
「なるほど。」
その後夜まで歌い、カラオケを出る時に、お財布を見ると……GUCCI!
「そのお財布はプレゼントですか?」
「いや、自分で買ったけど。そりゃ大人ですからね。」
お金を出そうとすると「いいから」と、支払われてしまいました。
その後、「お腹すいたからご飯行こうか」と、お寿司屋さんに連れて行ってもらいました。
……すみません。私、実は物凄く大食いなんです。汗
ここのお会計こそ払うぞ、と思いそこそこ食べました。
初カレ様にも「結構食うね。」と、若干引かれてました。
初デートのポップコーン再来です。
更には、お寿司は美味しいし、何よりも初カレ様とのお食事がしあわせ過ぎて、
「美味しい!私、しあわせです!今、私!海に来てます!」
「……大袈裟だよ。」
「でも、Tさんにとって私は友達かもしれませんが、私はTさんの事が大好きなので、こうやってカラオケに行けたり、美味しいお寿司も食べられて、Tさんとだからドキドキしちゃうけれども、より美味しく楽しく感じます!」
「あっそう……。」
物凄くドン引きされてました。
お会計を払おうとお財布を出したら、またもや「いいから」と、言われて「流石にここは!」と、言うと……
「あのね、男は女の子の前でカッコつけたいの。
レジでこうやってのやり取り面倒臭いしかっこ悪いでしょ?……カッコつけさせてよ。」
……いや、もう充分過ぎる程にカッコいいです。
ちなみに、お支払いはApple Watchでした。汗
スマートでお洒落度……レベルアップしすぎです!
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