第9話

 初カレ様と連絡をとり、再会した初カレ様は、昔と変わらず、相変わらずイケメンでした。


 しかし、初カレ様の態度はどこか冷たかったのです。

 

 居酒屋に行き、お互いの近況報告をしました。

 初カレ様は、大学卒業後、学生時代から勤めていたアルバイト先で正社員となっていました。

 私は、結婚と離婚をしてそのまま事故にあって、

「お医者様から『事故の後遺症でいつ死んでもおかしくない』と、言われたから、死ぬ前に会っておきたい人全員に会っておこうって思って。

 今まで付き合ったり、関係を持った男性の中で、一番優しくて素敵だったのがTくんで、初カレだったから会っておこうって思ったの。」と、伝えると初カレ様は、

「それ早く言ってよ!久々に連絡来たから宗教の勧誘とかかと思っちゃったじゃん!」と、言われました。

 しかし、初カレ様から

「実は今職場で気になるアルバイトの女の子がいてさ、なんだかんだ、その子とはいい雰囲気なんだ。

 クリスマス近いしイルミネーションのデートでも誘ってみようかな、て思うんだけど、どうかな?その流れで告白して。女の子って4℃が好きって聞いたから、4℃のアクセサリーとかプレゼントしようかな、とか考えちゃっててさ。」と、相談されたのです。


 私は、なんとなくモヤッとしました。


 ですが、その時は普通に会話をしました。

 お店を出る時に、初カレ様から「なんだかんだAと話してると楽しかった。また会おう。」と、言われました。

 

 しかし、日に日に心の中のモヤモヤが強まり、私は遂にある日突然初カレ様に、

「あのさ、正社員なのにアルバイトに手を出すのって、社会人としてどうなの?

 しかも、イルミネーションのデートはまあ、いいとして告白のあと4℃をプレゼントは、重いと思う。フラレたらその4℃はどうするの?

 てゆーか、その女の子。アルバイト経験しかないって言ってたじゃん。きっと社会に出たり、他の職場に行ったら、もっと大人の男性と出会ってTくんなんて子供に見えて、Tくんフラレちゃうと思う。」と、とんでもなく失礼なLINEをしてしまいました。


 案の定、初カレ様からは既読は付きましたが返事はありませんでした。


 私はあの時、ヤキモチを焼いていたのだ、と今ならわかります。汗

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る